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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。

夕暮れ時の小学校。
すでにほとんどの生徒たちが帰ってしまった後、6年3組の教室には、人影があった。
6年1組の羽田ケントだ。なぜか、自分のクラスではない3組の教室で、しきりと何かを探しているようだった。
やがてケントは、女子の森田アイの机を見つけて、その引き出しの中を探った。
そしてそこから、音楽の授業で使う縦笛の入った袋を取り出すと、中身を出し、じっとその縦笛を見つめた。

「……」

無言のまま、ケントはアイの縦笛の口に、自らの唇をつけた。
緊張しながらも、どこか恍惚とした表情で、ケントは縦笛の口を舐めまわしてしまった。

「誰? 何してるの?」

背後から声をかけられて、ケントは素早く振り向いた。

「あなた…。1組の子?」

そこにいたのは、教育実習生の横山ミズキだった。
一週間ほど前から、3組の担当をしており、ケントには直接授業を教えたことはなかったが、見覚えはあった。

「ここで、何してるの?」

ケントは思わず、持っていたアイの縦笛を後ろに隠した。
明らかに動揺した様子で、意味もなく首を横に振る。

「べ、別に…。なんでもないです。なんでも…」

しかし、ミズキはいぶかしげに、ケントの方に歩み寄ってきた。

「もう、下校の時間でしょ。早く帰りなさい」

「は、はい!」

返事はするものの、そこから動こうとしない。
ミズキはますます不審に思い、ふとケントの背後を見ると、森田アイの机の上には、縦笛の袋が無造作に放り出されている。
ミズキは直感した。

「キミ、何を隠してるの!」

「な、何でもないです!」

ケントの言い訳を聞く様子もなく、ミズキは無理矢理、腕を捻りあげて、後ろに隠していた縦笛を出させた。

「これは何! 誰のものなの!」

「ぼ、ボクのです。ボクの笛です。今、練習してて…」

「ウソ言いなさい! ここに、ちゃんと名前が書いてあるじゃない。森田アイって。これで、何をしてたの!」

ミズキのいうとおり、縦笛の側面には、森田アイの名前を書いたシールが貼ってあった。
ケントの顔がさっと青ざめて、それ以上、言葉が出なくなってしまった。
教育実習生とはいえ、ミズキは教師の端くれとしての威厳を持って、ケントを叱った。

「この笛で、何をしてたの! 言いなさい! 先生に言えないようなことなの?」

すると、ケントは観念したようにうつむいて、弱々しい声で謝った。

「ごめんなさい…。ちょっと、口をつけたりしました…。本当にごめんなさい…」

今にも泣き出しそうな様子のケントを見て、ミズキは小さくため息をついた。

「どうしてそんなことするの? この笛の持ち主が、嫌がると思わなかったの?」

「うん…。ボク、その…。森田さんのこと…ちょっとかわいくて…。だから…」

たどたどしく、ケントは説明した。
縦笛の持ち主である森田アイは、目が大きな可愛らしい女の子で、それはミズキもよく知っている。そんなアイに、ケントは密かに恋心を寄せていたのだろう。
まだ告白するとか付き合うとか、そういうことを考えもしない幼い男の子が、ときにとってしまう鬱屈した欲求の処理方法が、こういうことだったのだろう。
ミズキはそれを理解したうえで、悪いものは悪いと、ケントに教えてあげるつもりだった。

「そうだったの。でもね、こういうことをしたら、森田さんも悲しいと思うわ。森田さんが悲しいのは、キミもイヤでしょ?」

ケントはうなずいた。

「だったら、こういうことは、二度としたらダメよ。今回だけは、先生は誰にも言わないでおいてあげるから。その笛を洗って、元に戻しておきましょう」

そう言うと、ケントははっと顔をあげて、大きくうなずいた。
叱られて、自分が縦笛をなめていたことを森田アイにもバラされてしまうと思っていただけに、ミズキの言葉はケントにとって救いだった。

「はい!」

縦笛を持って、教室の外にある手洗い場に走っていった。
ミズキはその様子をみながら、少し甘すぎるかなと、自省する思いだった。
しかし、教育実習生として一週間ほど子供たちと接しているものの、叱るということは褒めることよりも難しいものだと痛感していた。
元々、子供が好きでこの道を選んだだけに、無暗に怒れないところがある。

「洗ってきました。ハンカチで拭いて、入れときます」

ケントは嬉々とした表情で、縦笛を元のように袋に入れて、机の中にしまった。
その間、ミズキは傍らのイスに座り、ケントの横顔を眺めていた。
教育実習生として、子供たちと日常的に触れ合うまで気がつかなかったが、ミズキは自分に少年愛の性癖があるということを、密かに自覚しつつあった。
特に目の前にいるケントのように、線が細くて、中性的な美少年に、ミズキは心を惹かれてしまう。
まだ第二次性徴期前か、大人になったばかりで、性のことなど何も知らないが、欲求だけはわずかに持ち始めているような男の子たちが、ミズキの大好物だった。

「終わりました。あの…本当にすいませんでした」

縦笛をしまい終わると、ケントは改めて、ミズキに頭を下げて謝った。
申し訳なさそうに眉を寄せた表情も、いじらしくてかわいいと、ミズキは思う。

「ちょっと、そこに座って。えーっと…キミ、名前は…?」

「あ、羽田ケントです」

「そう。ケント君。先生、もう少しキミに話をするわ。今日のことは、秘密にしておいてあげるけど、本当は決して許されることではないのよ。それはわかる?」

「は、はい…」

厳しい口調に、ケントは心から委縮していた。

「人は、何か悪いことをすれば、罰を受けなければいけません。それも分かるわね?」

ケントはためらいがちにうなずいた。

「じゃあ、キミに罰を与えるわ。立って。後ろで手を組んで、足を開いて。休めの姿勢で、目をつぶりなさい」

ケントは恐る恐る、その場に立ち上がり、言われた通りにした。
ミズキはケントの担任の教師よりもずっと若く、優しい印象のある実習生だったが、これから一体何をされるのか、少なくない不安がケントの胸を覆っていた。


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