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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。


毎年夏になると、この街は祭り一色になる。
男も女も、はっぴを羽織り、ふんどしを締めて、意気揚々と神輿を担ぎに繰り出すのだった。
しかし街の片隅のある地域だけは、少し事情が違っていた。

「よおし! 今年も東地区、神輿とるぞ!」

「おお!」

神社の境内に集まった少年たちが、声を上げた。
祭り本番が目前に迫ったこの日、この場所で、ある重大な儀式が行われることになっていた。
この地域は東と西の二地区に分かれていて、大人が担ぐ神輿はそれぞれにあるのだが、あいにく子供が担ぐための「若神輿」は一つしかなかった。
仲良く交代で担げればいいのだが、一年に一度、街中が最も興奮する祭りとあっては、そうはいかない。
この神社の境内で、東地区と西地区の子供たちが神前相撲をとり、その勝敗で神輿を担ぐ地区を決定するというのが、江戸時代から続く習わしだった。

「じゃあ、行ってくるぜ!」

「頼むぞ!」

「頑張れよ!」

境内の真ん中に張られた幕の中に、東地区の少年たち三人が入っていった。
小、中、高、それぞれの年代から選ばれた子供たちが、外界から遮断された場所で、ただ神様が見ている前で決着をつけるというのが、この神前相撲の決まりだった。
幕の中には土俵が作ってあり、立会人は、審判役を務めるこの神社の宮司しかいない。
あとは西地区の相手三人がいるだけ、のはずだったが。

「え!?」

東地区の主将である高校生のリュウタは、目を疑った。
土俵の向こう側には、女の子が三人、すでに座っていたからである。

「ど、どういうことだよ。お前ら、何でここに…」

「何でって。今年の西地区の代表は、私たちだからに決まってるでしょ。今年こそ、絶対西が神輿とるからね。覚悟してよ」

リュウタと同じ高校に通うユズキが、闘争心をむき出しにして言った。
この神前相撲に出るのは、本来、男でも女でもどちらでもかまわない。しかし、リュウタの記憶にある限り、女の子が出たという話は聞いたことがなかった。
なぜなら、この神前相撲は全裸で行われるからである。
神様の前での勝負に、やましいことが何一つあってはならないという意味だったが、女の子にとっては当然、恥ずかしすぎるしきたりだった。
自然の流れとして、この神前相撲に出場するのは男子だけになってしまい、毎年東と西の選りすぐりの男子たちが集まって、勝負をすることになっていたのだった。

「女子が代表って、聞いたことないよ…」

中学生の代表であるショウマも驚きを隠せなかった。
すると、彼と同じ中学三年生のレイカが声を上げた。

「女子が代表だったら、何か問題でもあるの? 言っとくけど、ウチらは本気で勝つつもりでいるからね。五年連続東が勝つなんて、ありえないんだから」

レイカの言うように、この四年間はずっと東が神前相撲に勝利し、神輿を担ぎ続けていた。
負けた西地区の子供たちは、男女とも神輿に触ることもできず、まるで部外者のように祭りを外から眺めていることしかできなかった。
どうやらその悔しさが、彼女たちを全裸での勝負に駆り立てているようだった。

「今年から、西では予選で代表を決めることにしたって聞いたけどな。お前らが西の男子たちに勝ったってことか?」

「そうよ。よく知ってるわね」

「へー。西には、よっぽど弱い男子しかいないんだな。そういえば、去年も俺たちは西に三戦全勝だったもんな。今年もそうなりそうだな」

リュウタは挑発的に笑った。
地区の威信をかけた戦いとあって、毎年、神前相撲はどうしてもヒートアップしてしまう。

「ふん。そんな挑発には乗らないわよ。すぐに結果が出るんだから。みてなさい」

ユズキは不敵に笑った。

「さあ。そのくらいにして。始めましょう。まずは皆、神前に礼!」

この神社の宮司は、若い女性だった。彼女の声で、皆一斉に祭壇に向かって頭を下げた。
その後、土俵際に向かい合って座るのだが、その座り方も、しきたりによって胡坐と決まっている。
東地区の男の子たちは、男子の胡坐は見慣れていたが、女の子が裸で胡坐をかいているところなど、見たことがなかった。

「よいしょっと」

西地区の予選などですでに慣れてしまっているのか、意外なほど堂々と、女の子たちは胡坐をかいてみせた。
しかしその姿は、小学生のセイヤにはともかく、中学生のショウマや高校生のリュウタにとっては、刺激的すぎる光景だった。

「それではこれより、神前相撲を執り行う。東と西の先鋒は、土俵に上がりなさい」

宮司の呼び声で、東のセイヤと西のルナが立ち上がった。

「ルナちゃん、予選のときみたいにやれば、絶対勝てるからね」

主将のユズキに言われて、ルナはこくんとうなずいた。
セイヤは小学六年生で、身長はそれほど高くなかったが、柔道をやっているため、年齢よりもがっしりとした体格だった。
一方のルナは、まだ小学三年生で、セイヤと比べると、体重は半分ほどしかないようにも見えた。

「セイヤ! 遠慮するな。速攻で終わらせちまえ!」

二人は土俵の中央で向かい合い、仕切り線に両手をついた。

「それでは、神前相撲、始め!」

起き上がりざま、セイヤは張り手でルナを突こうとした。
去年もこの神前相撲に出場した彼は、勝ち方をよく分かっているようだった。
しかしルナは、まるでそれを読んでいたかのように、さっと身をかわして、セイヤの張り手を避けたのだった。

「あっ!」

意外なほど素早い動きだった。
この神前相撲は、まわしも締めず全裸で行われるため、実際には相撲の技の大部分が使用できなかった。
だから結局、セイヤのように張り手で押し出したり、手を組みあって引きずり倒したりするのが定石の勝ち方だったのだ。

「ルナちゃん! 落ち着いて!」

ルナは距離を取り、組み合おうとしない。出鼻をくじかれたセイヤも警戒して、容易に組み合ってこない。
どうやらここまでは、女の子たちの作戦通りのようだった。

「くそっ!」

このまま拮抗するかに見えたが、セイヤは相手が自分よりもずっと小さな女の子だったことを思いだし、自分から組みにいった。
力比べなら負けるはずがないという自信が、そこにある。
セイヤが両手を広げて、覆いかぶさるように迫ると、ルナもその手を両手で受け止めるかに見えた。
しかし。

「はわっ!」

少しだけかがみこんで、すっとセイヤの懐に入ったルナは、その股間にぶら下がっている金玉袋を両手に掴んだ。
神前相撲で、まさかその部分を掴まれるとは思ってもいなかったセイヤは、思わず声を上げてしまう。

「これでもう終わり。降参した方がいいよ。すごく痛いから」

セイヤの未発達な金玉袋を、両手で包むように掴んだルナは、そう言った。
一応、降参するという勝敗のつけ方もあるが、今まで神前相撲でそんな不名誉なことをした男の子はいなかった。

「な…! 降参なんか、するわけないだろ!」

ルナの手に、まだ力はほとんど込められていない。
しかし、セイヤはルナの手首を掴んではいるが、その手を引きはがせそうにはなかった。
男の絶対の急所を掴まれ、いつ握りしめられるか分からないという恐怖が、そこにあった。

「そう。じゃあ、降参するまで離さないからね。えい!」

と、ルナはその小さい手にグッと力を入れ始めた。
彼女の手の中で、セイヤの二つの睾丸が圧迫され始める。

「うぎゃああっ!!」

セイヤの股間から、強烈な痛みが湧き上がってきた。
その痛みはオスとしての生存が危うくなっているという、本能的な危険信号も含むもので、男はその痛みの前では、完全に無抵抗になってしまう。

「まだ降参しないかな? えい、えーい!」

実際には、あっという間にセイヤの膝から力が抜けて、手を離せば倒れてしまうことは確実だった。
しかしルナはあくまで降参を求めているらしく、掴んだ金玉を上に持ち上げるようにして、セイヤが膝をつくことを許さなかった。

「セ、セイヤ…! が、頑張れ!」

声をかけてみたものの、リュウタにもセイヤの苦しみは十分に伝わってきた。
しかもこの痛みに耐えたところで、この先に勝ち目があるとは思えない。そう思っていたから、中途半端な応援になってしまった。

「うぅ…がぁ…!!」

負けることはいいとしても、セイヤは降参だけはしたくなかった。
せっかく名誉ある神前相撲の代表に選ばれたのに、年下の女の子に降参させられることなど、絶対に避けたかった。

「うーん。まだ降参しないかな。じゃあ、必殺技いくね?」

ルナはそう言って、金玉を持つ手を少し緩めた。
どうやら持ちかえて、何か特別なことをするようだった。
しかしそこで、セイヤの心が折れてしまった。

「あ…! こ、降参! 降参します! は、離して…」

今でもギリギリな状態なのに、これ以上耐えられそうになかった。
ルナの言う必殺技がどんなものか分からなかったが、さらに強烈な痛みが襲うことだけは確実そうだった。
ルナが金玉から手を離してやると、セイヤはその場に膝をつき、両手で金玉をおさえた。

「勝者、西のルナ!」

「やったあ! ルナちゃん、すごい! まず一勝ね!」

ユズキとレイカが手を取るようにして、ルナを迎えた。

「は、反則だ! 金玉握るなんて、反則じゃないのかよ!」

リュウタはたまらず、立ち上がって抗議した。
しかし西の女の子たちは、もうそんな議論はし尽くしたというように、飽き飽きした顔で答えた。

「反則じゃないです。男子はみんなそう言うけどね。自分たちにだけ急所がついてるからって、勝手に反則にしないでほしいわ」

「そ、そんな…。どうなんですか?」

リュウタは審判役である宮司の方を見た。
女性の宮司は、平然とした態度で答えた。

「うん。そうですね。この神前相撲では、神様に対して恥ずかしいものでない限り、ほとんどすべての行為が認められています。男性の急所は、生まれたときからついているものですから、そこを狙うのは、特に恥ずかしい行為とは思えないですね」

宮司は、伝統ある儀式を守る立場として、毅然とした態度をとっているつもりだった。

「そういうことなんで。気を付けてねー」

中学生のレイカが、おちょくるようにして笑った。
東地区の男子たちは、今初めて、西地区の男子たちが代表になれなかった理由を悟った。
そういえば2,3日前、西地区の同級生の男子たちが、登校するときに歩きづらそうにしていたような気がする。彼らは自分たちの勝利のために何も言わなかったが、おそらくこうやって、金玉を女の子たちに痛めつけられたのだろう。



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