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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。


水泳部のサトルは180センチの長身と長い手足を生かしたダイナミックな泳ぎで、県内でもベスト3に入る選手だった。
体脂肪率は常に5パーセント以下で、広い肩幅と厚い胸板、きれいに割れた腹筋が、小麦色に日焼けしている。

「ぷはぁっ!」

クロールの練習を終え、プールサイドに上がる。
最近は男子の競泳水着もスパッツのような面積の広いものが主流になったが、サトルはビキニパンツの方が好みで、練習の時はそれを履いている。
キュッと引き締まった股間のふくらみが、濡れてツヤツヤと光っていた。

「あ、ゴーグルが切れちまった。代えてくるわ」

サトルはプールサイドの建物に向かった。
まるでギリシャ彫刻のように均整の取れたその肉体が、極小の水着一枚に包まれた姿で歩いていると、すれちがう女子部員までもが目を奪われてしまう。

「あ、先輩。お疲れさまです」

「お疲れー」

女子部員たちの目は、たくましく堅そうなサトルの腹筋と、それとは対照的に柔らかそうにぷっくりとした股間の膨らみに注がれている。
女性にとっては、どちらも男を感じさせるパーツだったから、無理もなかった。
サトルもそんな視線には慣れているようで、気にしていない様子だった。

建物の角を曲がり、更衣室もかねている部室のドアを開けると、そこには一年生のムツミがいた。
女子部員である。
ムツミは着替える途中だったのか、競泳水着の肩ひもをたぐっているところだった。

「え…? あれ…」

男子の部室のドアを間違いなく開けたサトルは、入り口で固まってしまった。

「きゃーっ!!」

ムツミは両手で胸を隠し、背中を丸めた。
その声に驚いたサトルは、思わず口をおさえようと、ムツミに向かっていった。
しかし、次の瞬間。

パシン!!

と、ムツミの右足の甲が、サトルの股間の膨らみを跳ね上げた。
プールから上がったばかりのサトルの金玉袋は限界まで引き締まっており、ほとんど逃げ場なく全衝撃を受け止めなければならなかった。
しかもムツミの足の指先はサトルの男の膨らみを引っ掛けるようにして引き付けられ、

ブルン!!

と、金玉の裏から揺さぶられたのが、サトルにもはっきりと分かった。

「はうっ!!」

ビキニパンツの中でグニャリと変形させられ、揺らされた自分の最大の急所を、サトルはすぐさま両手でおさえた。
まず、蹴られた衝撃が金玉袋の表面に走る。
そしてその後から追いかけるようにして、重苦しい痛みの波が沸き上がってくるのだ。
その頃にはもう、我慢しようとか痛くないフリをしようとかいう考えは消え去り、ただ内股になって、股間を抑えることしかできない。

「あ…か…くぅ…!!」

そして痛みは治まるどころかさらに大きくなり、胸やけのような気持ち悪さまで伴って全身に広がっていくのだ。
たくましい両足に力を入れることもできなくなり、その場に膝をついてしまう。
いくら股間の膨らみをさすっても効果はなく、ただ男に生まれたことを後悔しながら、一生続くとさえ思える地獄のような痛みにうめくことしかできなくなるのだった。

「あ…サトル先輩ですか…? なんで…?」

ムツミは目の前でしぼむようにしてうずくまってしまったサトルの背中を見ていた。
その真相は、こうである。

5分前。

「あ、コンタクトが取れちゃった。やっぱり駄目ですね。今日はもう、あがります」

一年生の女子部員、ムツミは近視がひどく、普段は度付きのゴーグルを使用していたのだが、この日はたまたまそれを忘れてしまった。
日常、着けている使い捨てコンタクトのまま泳いでみたのだが、それも外れてしまい、今日の練習を諦めたのだった。
そして制服に着替えようと思い、部室に入ったのだが。
ド近眼の彼女は、そこが男子の部室であることに気がつかなかった。
なんの疑いもなく、水着に手をかけたところに、サトルが入ってきたのだった。

「あの…えっと…。いくら先輩でも、許されないですよ! 女子の着替えをのぞくなんて!」

小柄で手足も細く、周りからはおとなしいと思われていたムツミだったが、実は兄と弟がおり、小さいころからケンカばかりして育ってきた。
自然と男の急所の存在を知り、今ではいざというときには無意識に金玉を蹴り上げる癖がついてしまっている。
サトルが部室に入ってきたときも、近視のため、その輪郭ぐらいしか見えなかったが、彼女の足は、正確にサトルの股間に吸い込まれていったのである。

「こ、ここは…男子の…」

うずくまり、呼吸をすることすら苦痛に感じるサトルは、床に額を押し付けたまま、かすかな声で弁解しようとした。

「え? そうですよ! 男子が入っていいわけないじゃないですか! 反省してください!」

「ち、違う…。ここは、男子の部室…」

「え?」

そう言われて、ムツミは驚いた声を上げた。
急いで部室を出て目を凝らすと、確かに男子の部室であることを示す、青いマークがぼんやりと見えた。
ムツミは一気に顔が赤くなるのを感じた。
とんでもないことをしてしまったという思いで、サトルのそばに駆け寄る。

「すいません、先輩! わたしが間違えてました! ここが女子の部室だと思って…。大丈夫ですか?」

サトルの金玉の痛みは一向に治まる気配がなく、ますます大きくなっていくようだった。
ムツミの言葉にも、小さくうなずくことしかできない。

「ああ、痛いですよね? ホントにすいません。この辺、叩いた方がいいですか? どうですか?」

おろおろしながら、それでも男の痛みについて多少は知識があるのか、うずくまっているサトルの腰を優しく叩いたりしてやった。

「あ…うん…あぁ…」

いくらかでも、痛みが和らぐような気がした。

「先輩、ホントにすいません。…大丈夫ですよね? 潰れたりは…してないですよね?」

必死に謝るムツミの声を聞きながら、サトルはただひたすら、時間が過ぎるのを待っているのだった。



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「筋肉! 筋肉! 筋肉! 今日もイケてるぞ!」

ボディビル歴5年のユタカは、自分に暗示をかけるようにつぶやきながら、鏡の前でポーズを取っていた。
ここはとあるボディビル大会の控室。
狭い空間が、マッチョな男たちの熱気で満ち溢れている。
本番まであと数時間あったが、彼らの戦いはすでに始まっているようだった。

「ふんっ! んっ!」

ステージに立つころには、審査員に最高の状態の筋肉を見せなければならない
軽くウォーミングアップをしているのか、ユタカはおもむろにスクワットを始めた。

「ふう…」

数十回ほどのスクワットを終えて、筋肉の状態を確かめようと、Tシャツとズボンを脱ぐ。
黒いビキニパンツ一枚に包まれた、驚異の肉体が現れた。

「…よし! …よし!」

小山のように盛り上がった大胸筋。風船のように膨らんだ三角筋と上腕二頭筋。
腹筋はまるで板チョコのようにくっきりと割れていて、その下には子供のウエストほどもある太ももが伸びている。
ユタカは軽くポーズを取りながら、その状態を確かめていた。

「いいぞ! 今日もキレてるな!」

ボディビルダーの中には、自分の筋肉に語りかけるようにして鍛える人がいるというが、ユタカはまさしくそれだった。
日々のトレーニングの末、たどり着いたこの肉体に、誰よりも彼自身が一番見とれている様子だった。

「よし! 今日もイケる!」

実は彼は去年、この大会で優勝を飾っている。
今年は連覇がかかっているのだが、鏡の前で自信を得たようだった。
本格的な準備をする前に、外の空気でも吸ってこようと、控室を出た。
黒いビキニパンツ一枚のままだ。
一度脱いだ服を着てしまえば、本番に向けて高めている気持ちが途切れるような気がしたし、何より彼が思う最高の肉体を隠すことなどしたくなかった。
本当は、日常生活でも服など着たくないとさえ思っていたのだ。
はち切れそうな胸をそらしながら、のっしのっしと廊下を歩く。
すると、

「泥棒! 誰か、捕まえてくれ!」

会場となっている体育館の長い廊下の奥から、叫び声が聞こえた。
見ると、ジャージ姿の長い髪の女性が、スポーツバッグを持って走ってくる。
大会に出ている女子選手の控室から、置き引きでもしたらしかった。
ユタカはしかし、慌てることもなく、こちらに向かってくる女性をしっかりと見据えると、その進行方向を塞ぐように、両手を広げた。

「はあ、はあ…! え!?」

走ってきた女は、突然目の前に現れた巨大な筋肉の塊に驚いて、足を止めた。

「おいおい。この会場で泥棒なんて。逃げられると思ったのか?」

まるで悪党を捕まえるスーパーヒーローのような余裕の表情で、ユタカは女に迫った。

「あっ!」

女が振り返り、逃げようとしたところで、その腕をユタカが掴んだ。

「えっ!?」

急に、何か大きな岩にでも引っ掛けたかのように、腕が動かなくなったのを女は感じた。
とてつもなく強い力で、手首を掴まれている。

「女性に手荒な真似はしたくないが、泥棒なら仕方ないな」

ユタカは微笑みながら、女の腕を引き寄せる。
女は抵抗しようとしたが、まったく無駄だった。

「あっ! ちょっと、離して…!」

苦し紛れに腕を振り回そうとしたが、それすらもできなかった。

「こらこら。おとなしくしなさい」

ユタカは意に介する様子もなく、さらに盗んだスポーツバッグを抱えているもう一方の腕も掴んだ。
あっと女が叫ぶよりも早く、ユタカは彼女の体を高々と持ち上げてしまった。

「さあ。このまま警察に行ってもいいんだよ?」

よく見ると女はまだ若く、10代の少女に見えた。
その手足は華奢で、整った顔立ちが宙づりにされた驚きと苦痛に歪んでいる。
とても盗みを働くようには見えなかったが、ユタカはとりあえず捕まえておこうと思った。

「離して! 離してください! わたしは泥棒じゃ…」

少女の体重は40キロほどだったろうか。いずれにせよ、ユタカが毎日何百回も上げているバーベルの半分にも満たない重さだった。
宙ぶらりんになった状態でジタバタと暴れるが、その手は離してもらえそうにない。

「もう! それなら…!」

ついに、少女は最後の手段に出た。

パシッ!

と、少女の足のつま先が、ユタカの股間に当たった。
それは蹴りとも呼べない、単に足が当たっただけのことだったが、しっかりとビキニパンツの膨らみをへこませていた。
完全に油断していたユタカは、突然襲ってきた衝撃に、顔をしかめる。

「んっ! うぅん…!」

急速に体の力が抜け、少女の手を離すと、ストンとその場に着地した。
ユタカは何が起こったのか分からない様子で、襲いつつあった重苦しい痛みに耐えるため、ゆっくりと前かがみになる。

「ごめんなさい!」

体の9割が筋肉の鎧で覆われたユタカの、唯一の鍛えられない場所、黒いビキニパンツで優しく包まれたその柔らかな膨らみに、少女は狙いを定め、至近距離から右ひざを振り上げた。

メリッ!!

と、少女の膝がユタカの金玉を押し潰した。
深く割れた腹筋と、脚が閉じないくらいに発達した太ももをもってしても、まったくの無意味だった。
男の体の中で、そこは絶対に鍛えることができず、しかもとてつもなくデリケートで無防備だった。
ユタカは下半身にゾワッとした寒気のようなものを感じると、とっさにうずくまって、両手でそれ以上攻撃されないよう、股間を守った。
その姿は、どんなに鍛えた男でも逃れることができない痛みに対応するため、すべての男にインプットされている本能のようなものだった。

「あっ…! くぅぅ…!!」

やがて襲ってきた地獄の苦しみに、子犬ような声を上げる。
その目には、自然と涙が浮かんでしまっていた。

「あ…! ホントにすいません。でもわたし、泥棒じゃありませんから…」

少女は自らの膝金蹴りの威力にちょっと驚いた様子だったが、落としたスポーツバッグを拾い上げると、すぐに逃げていった。
少女を追いかけてきた係員が駆けつけると、先ほどまでパンパンに膨らんでいた筋肉はしぼみ、男の痛みに震える哀れなボディビルダーの姿がそこにはあった。





家に帰りつくころ、ムツミは疲れ切っていた。
昨日は間違えて男子の部室で着替えをしてしまい、水泳部の先輩、サトルの股間を蹴り上げてしまった。
そして今日は、電車で隣に座った体格のいい女性が自分のスポーツバッグを間違えて持って行ってしまい、一駅過ぎたところで慌てて追いかけた。
バッグに入っていた書類などから、ボディビルの大会に出場することを突き止めて、会場に向かったが、間違えた女性を見つけることはできなかった。
ムツミも水泳部の大会で急いでいたため、仕方なく控室に行き、自分のバッグと入れ替えて持ち出したところを、係員に見つかってしまった。
慌てて逃げたが、マッチョな男に捕まりそうになったため、また金玉を蹴り上げて、ノックアウトさせてしまった。

自分が悪かったのかどうかも分からなかったが、とにかく大会の成績もさんざんで、どっと疲れてしまった。

「ただいまー」

玄関に入ると、見慣れない女物の靴があるのに気がついた。
母親のものにしては、若すぎる。
たぶん、大学生になるムツミの兄が、また彼女を連れ込んでいるのだろうと思った。
思春期のムツミとしては、兄の行動をあまり好ましく思っていなかったが、今日はそんなこともどうでもいいくらいに疲れてしまっていた。
両親もまだ帰っていないことを確かめると、そのまま二階にある自分の部屋へ向かう。
もう一刻でも早く、ベッドに倒れ込みたかった。

ガチャリとドアを開けると、そこにはムツミの兄がいた。
兄はゼブラ柄のブーメランパンツ一枚という姿で、なんとムツミの洋服棚を開けて、中を探っているところだった。

「お兄ちゃん…?」

多量の疑問とわずかな怒りを感じながら、ムツミは兄を見つめた。

「あ! ムツミ! 帰ったのか。…って、違うんだ。これは…」

ムツミが眉を寄せて自分を見ているのに気づき、兄は弁解を始めた。

「なにしてるの? それ…わたしの…」

ちょうど兄が開けていたのは、ムツミの下着が入っている引き出しだった。
妹の下着を物色して、何をしているというのか。
ムツミの疲れ切った心に、メラメラと怒りが沸き上がってきた。

「ち、違うんだ! 彼女が来ててさ、その…急に生理がきちゃって…。ナプキンとか持ってないから、ムツミのを借りようかなって…」

兄の言葉はほとんど耳に届いていなかったが、仮に聞こえていたとしても、ムツミの気持ちが治まることはなさそうな言い訳だった。
そしてよく見ると、兄のブーメランパンツの股間には、そこから突き出てしまいそうなくらい太々とした肉棒の形が浮いてしまっている。
ちょうど、その行為をしようかというところだったらしい。
ここ数日、男のビキニパンツに対していい思い出がないムツミにとっては、まったく見たくもない代物だった。

「お兄ちゃん!」

ムツミはもう、考えるのをやめた。
怒りにまかせて兄に詰め寄ると、兄はひっと悲鳴を上げて、両手で顔を守った。

「バカッ!!」

しかしムツミが狙うのはもちろん、男の急所だった。
関係のない兄には気の毒な話だったが、昨日と今日のビキニパンツに対する恨みを込めて、思い切りその膨らみを蹴り上げた。

グニン!

と、兄の膨らみは、ムツミの足の甲の上で無残に変形した。
ムツミは足の先に柔らかい質量を感じ、兄は自分の最も敏感で大切な部分に、妹のつま先の堅さをはっきりと感じた。

「ほうっ!!」

今まで何度もムツミに金玉を蹴られてきた兄だったが、この衝撃は前例をなかなか思い出せないほどで、この数瞬後、男の痛みに苦しまなければならないことを覚悟した。

「あ…くく…! ム、ムツミ…!?」

すぐさまその場にひざまずき、背中を丸めて股間をおさえる。
今まで何度も見てきた光景だったが、ムツミは多少満足したようだった。

「知らない!」

バタン、とドアを閉めて、出て行ってしまった。
地獄のような痛みに苦しむ兄が、彼女に解放されるのは、それから数分後のことだった。



終わり






大学で拳法部に所属しているナナミは、この夏、スポーツジムでのアルバイトを始めた。
小学生の女の子たちを対象にした、護身術レッスンの講師をするというものだった。

「自分の身は自分で守る! つよかわいい女の子になろう!」

というテーマで試験的に応募してみたところ、思ったよりも大きな反響があった。
ナナミは小柄で童顔な見かけによらず、実戦拳法の流派で黒帯を取得している。
その経歴をかわれて、レッスンの内容は一任されていたため、彼女はまず女の子たちに、金的蹴りを教えることにした。
とにかく男の最大の急所である金玉を正確に蹴り上げることができれば、女の子が身を守るには十分だし、どんな男でも金的蹴りで倒せるという自信がつけば、余裕を持って危険に対応できるはずだった。
今日のレッスンでも、初めて参加する女の子たちに、金的蹴りを教えていた。

「いいですかー。まずはみんなに、金的蹴りを覚えてもらいまーす。金的ってわかるかな?」

レッスンを受けるのは、小学校中学年から高学年の女の子たちが中心だった。
今日、初めて参加した子たちは首をかしげ、すでに何回かレッスンを受けている子たちは、ニヤニヤしながらその様子を見ている。

「はーい。そうだよね。あんまり聞かないよね。金的っていうのは、男の人のタマタマ。金玉のことです。覚えておいてね」

えー、という悲鳴にも似た歓声が、女の子たちから上がった。

「男の人は、金玉を蹴られると、痛くて動けなくなってしまいます。だからみんなは、まず金玉を蹴ることを覚えてくださいね」

「タマタマって、あの、アソコについてるヤツ?」

「そうだよぉ。知らないの?」

「男の急所なんだよ」

このレッスンには女の子しかいないので、遠慮なく話をすることができる。
女の子たちは最初こそ恥ずかしそうにしているが、本音は興味津々だった。
チンチンとタマタマといえば男の子のシンボルのようなもので、学校でもふざけて話したりはする。
プールの授業で着替えるときなど、何度か目にすることはあったが、なんだかピョコンとしたものが脚の間にくっついているようで、おかしかった。
自分たちの股間はすっきりと平らなのに、男子たちは邪魔じゃないのかな、と思っている子もいた。
しかしそれが、男の最大の急所だとは。
スポーツの珍プレーやおもしろ動画などで、男性が股間を打って悶絶する場面を見たことはあったが、それが本当に痛いのかどうか、半信半疑の子が多かった。

「じゃあ、練習するね。これを蹴ってみて」

ナナミはゴムボールの入った袋を取り出して、それを蹴るように女の子たちに指示した。
女の子たちは一列に並んで、蹴り始めた。

「えーい!」

「そーれ!」

かわいらしい掛け声とともに、女の子たちがゴムボールの入った袋を蹴り上げる。
ナナミは袋がちょうど男性の股間の高さくらいになるように調整していた。

「うん。いい感じだね」

「ホント? 痛いかな?」

「うん。これは一発で倒しちゃうね」

「わーい!」

女の子たちは楽しそうに練習している。
ナナミは普段から拳法部で金的蹴りの練習をしており、その指導も的確だった。

「いくよー。えい!」

女の子が蹴ると、袋はポーンと高く跳ね上がった。

「どうかな?」

「うん。いいよ。でもね、今のは足のスネのところで蹴ってたから、足の甲のところで蹴るようにすると、もっと痛いんだよ」

「そうなんだ。気絶しちゃうくらい、痛いの?」

「うん。男の人は、気絶するときもあるよ」

「えー! 先生は? 金玉を蹴って、気絶させたことある?」

「えーっとね、うん。何回かあるかなぁ。思いっきり蹴ったときにね」

「すごーい!」

女の子たちは目を輝かせてナナミの話を聞いていたが、もしこの場に男がいれば、顔をひきつらせ、無意識に内股になっていたかもしれない。
自分たちにはついていない金玉がどれほど痛かろうが、自分たちには一生関係がないという安心感が、彼女たちの顔に溢れていた。

女の子たちが何度か袋を蹴り上げた後、ナナミはレッスンルームの入り口に男性が立っていることに気がついた。
男性はTシャツにハーフスパッツの青い競泳水着を履いており、今、プールから上がってきたばかりなのか、髪が濡れている。

「あ、お疲れ様でーす。こちらへどうぞ」

ナナミは男性を招いた。
このスポーツジムはスイミングスクールも併設しており、護身術レッスンを開くにあたって、そこの男性講師に協力を依頼していたのだった。
やはり本物の男性の股間を蹴るのが、一番の練習になるというのがナナミの持論だった。

「よろしくお願いします」

男性は、20代くらいだろう。
水泳選手らしく、広い肩幅と厚い胸板を持っていた。Tシャツの下には、おそらくきれいに割れた腹筋もあるのだろう。
しかし女の子たちの興味は、その下。
ピッチりとした水着に包まれた、濡れてツヤツヤと光っている、股間の膨らみだった。
股間をめがけて蹴る練習をした後だけに、どうしてもそこに目が行ってしまう。

「初めてですよね? 内容は聞いてますか?」

男性はうなずいた。
女の子たちの金的蹴りの練習台になってほしいと聞いている。
いつものレッスン料に若干の手当てをつけるからということで、承諾したのだ。

「女の子たちに蹴ってもらうんですけど、何回くらいいけそうですか?」

ナナミは微笑みながら聞いた。
本来は一回だけと決まって決まっているのだが、この男性が来るのは今日が初めてだったので、ナナミはちょっと意地悪をしてみたくなったのだ。

「どうですかね。3、4回くらいは大丈夫なんじゃないですか」

「ホントですか? お願いします」

ナナミは自分の期待通りの答えを男性がしてくれたことに、心の中でほくそ笑んだ。
たかが小学生の女の子の蹴り。男はみんな、最初はそう思うのだ。

「じゃあ、まずはレナちゃん、やってみようか?」

ナナミは今日初めてレッスンに参加したレナを指名した。
レナははい、と元気よく答えて、男性の前に立った。
その股間の膨らみを、ドキドキしながら見つめた。
まさか、このたくましいお兄さんが、さきほど覚えたばかりの自分の金的蹴りで苦しむことになるとは、思ってもいなかった。

「えい!」

掛け声とともに、レナは金的蹴りをはなった。
やはり覚えたてで、スナップの聞いていない不器用な蹴りだったが、レナの足のスネの部分が、男性の股間の膨らみにめり込むのがしっかりと確認できた。

「うっ!?」

男性は、うめきながら顔をゆがめて、前のめりになった。
競泳水着のもっこりとした部分を、両手で押さえる。
重苦しい痛みがそこから沸き上がってきているのが、女の子たちにも理解できた。

「え? ホントに?」

レナの口から、正直な感想が漏れた。
金玉を蹴ったのは生まれて初めてだったし、自分でも、それほどうまくできたとは思えなかったからだ。
一方のナナミは、予想通りという表情で男性を見下ろしていた。

「大丈夫ですか?」

と、口では言いながらも、苦しむ男性を見て、ひそかに楽しんでいた。
さきほどまであんなに堂々としていた男性が、幼い女の子たちの前で、股間を押さえて苦しんでいる。
女の子たちもまた、びっくりしながらも、男性が苦しむ様子をおかしそうに見ているのだ。

「あの、続けられますか?」

男性は股間の二つの玉から沸き上がってくる痛みに顔をゆがめていた。
しかし、ナナミが声をかけると、思い出したかのように顔を上げ、体を起こした。
まるで金玉の痛みなど大したことないかのように、胸を張ろうとする。
そんな姿も、ナナミはおかしくてしょうがなかった。
女の子たちの前であんな醜態をさらしておいて、まだ男のプライドを保とうとするのだろうか。
ナナミは今まで何度も金玉を蹴られた男を見てきたが、みんな似たような反応をするものだと改めて感じた。

「だ、大丈夫ですよ。このくらい…」

男性の額には汗が浮かんでいた。
ナナミは内心おかしかったが、気づかないふりをしていた。

「そうですか。じゃあ次は、マリアちゃん、やってみる?」

「はい!」

名前を呼ばれたマリアは、嬉しそうに返事をした。
彼女はすでに何回かこのレッスンを受けていて、金的蹴りに関しては十分に使えるとナナミは思っていた。
さらにマリアはダンススクールにも通っているということで、体が柔らかく、脚を上げることも上手かった。
ナナミは競泳水着の男性が苦しみ、耐えがたい男の痛みに顔をゆがませるのが見たくて、あえて彼女を指名したのだった。

「ねえ、先生」

男性の前に立つ前に、マリアはナナミに耳打ちした。

「先生みたいに、気絶させてもいい?」

さきほどのナナミの話を聞いて、興味が湧いてしまったらしかった。
ナナミはさすがに首を横に振った。

「ダメだよ。思い切り蹴らないでね?」

「はーい」

マリアはちょっと不満そうにして、あらためて男性の前に立った。
男性は、さきほどの痛みがまだ残っているのか、すこし呼吸を荒くしながら、自分の股間に狙いを定めるマリアを見た。

「いくよー! えい!」

マリアは半分笑っていたが、その蹴りは見事なものだった。
ナナミに言われた通り、多少は手加減したが、しなりのきいたムチのような金的蹴りをはなった。
この子は才能があると、ナナミは感じた。
というのも、蹴られる瞬間、さきほどの痛みの記憶からか、男性は腰を引いて避けようとした。しかしマリアはそれに合わせて脚を伸ばし、正確に足の甲で男性の膨らみをとらえたのだ。
さらに当たる瞬間、クイっと足首をまげて、金玉袋を後ろから持ち上げるようにして足を引いたのである。
女の子だけができる、ちょっと意地悪な小技だった。

「はうっ!!」

しかしもちろん、男性のダメージは絶大だった。
今度の痛みは我慢するどころではなく、男性はすぐさま股間をおさえて、うずくまってしまう。

「やったぁ!」

マリアは無邪気に喜んでいた。
練習はしていたが、まさか本当に男の人を一発で倒せるとは、思ってはいなかったのだ。

「はーい。よくできましたね。みんな、よく分かったでしょ。男の人は、金玉がすごい急所なんだよ。ちゃんと当てれば、女の子でも簡単に男の人をやっつけられるからね。しっかり練習しようね」

ナナミはうずくまる男性をよそに、女の子たちに教えてあげた。
今まで金的蹴りの威力を知らなかった女の子たちも、股間をおさえて苦しそうにしている男性を見下ろして、その効果を実感した。

「先生、わたしも蹴りたい」

「わたしも!」

女の子たちは次々に手を挙げた。

「えー? うーんと、どうしようかなぁ。すいません、大丈夫ですか? 3、4回くらいはいけるって言ってましたけど…」

ナナミはもちろん、男性のダメージの大きさを十分に把握していたが、意地悪く尋ねてみた。
股間を蹴られた男性は、正座するような姿勢で前かがみになり、いまだに立ち上がることさえできずにいる。
その額には大粒の汗が浮かんでいた。

「いや…その…ちょっと、当たり所が悪かったみたいで…」

そう言い訳するのが、精いっぱいだった。
ナナミはすべてお見通しという風に、にこやかにうなずいた。

「そうですよねー。みんな、今日はもうダメだって。金玉を蹴られると、男の人はすぐには立ち直れないんだよ。勉強になったね。あ、それから、家に帰って、お兄ちゃんや弟の金玉を蹴ったらダメだよ。男の子はすっごい苦しいんだからね」

「はーい!」

女の子たちは元気よく返事をしたが、ナナミには、きっと何人かの男の子たちが苦しむことになるだろうと思った。

ところが、男の子たちが苦しむ場面は、意外に早く訪れた。
ナナミの護身術レッスンの後、女の子たちはスイミングのコースにも参加するのだが、この日は男女対抗のレースが行われた。
このレースで、なんと女の子たちが圧勝してしまったのである。

「イエーイ! 女子の勝ちー!」

「楽勝だったねー! 男子、遅いんだもん」

女の子たちは調子に乗り、からかうように騒ぎ合った。
男の子たちは悔しそうにそれを見ている。
彼らの競泳水着の股間では、男のシンボルがしっかりと膨らんでいる。
男のプライドが、女に負けることなど許さないようだった。

「うるっせえよ! 男が本気出せばな、女なんか!」

「そうだぜ! 俺らが本気出せば、お前らなんか簡単に泣かせるんだからな!」

男の子たちは生意気な女の子たちを黙らせようと、いまにも暴力に訴えそうな気配を見せた。
しかし、女の子たちはそのくらいではひるまなかった。

「ふーん。いつでも本気出していいんだよ、別に」

「本気出しても女子には勝てないと思うよー。男の子はね」

ナナミのレッスンを受けた女の子たちは、顔を見合わせて笑った。
金的蹴りを覚えたことで、彼女たちの心には男への自信のようなものが生まれていたらしい。
そんな女の子たちの不遜な態度に、男の子たちは痺れを切らして、掴みかかっていった。
男の強さを身を持って味わわせてやろうというわけだ。
しかし、

「やめてよ!」

女の子たちは軽やかに身をかわすと、すかさず男の子の股間に、覚えたての金的蹴りを叩き込んでいった。

「あうっ!!」

「はわっ!!」

ナナミはちょうど、プールサイドにあるガラス張りの事務室で書類を書いていたのだが、そこからこの騒動の一部始終がよく見えた。
ナナミが思わずうなってしまうくらい、女の子たちの蹴りはしなやかで、的確だった。
競泳水着に包まれた、男の子たちの大切なもっこりの部分が、蹴られてひしゃげてしまうのがよく見えた。

「あれはきくだろうなー」

と、他人事ながら男の子たちを気の毒に思った。

「え? あれ、どうしたんですか?」

と、驚いたのは、さきほど護身術レッスンで金玉を蹴られた男性だった。

「あー、いや、なんか、女の子たちが蹴っちゃったみたいですね。男の子たちのタマタマを…」

ナナミは笑いをこらえながら、できるだけ神妙な顔で言った。

「タマ…」

男性はさきほどの痛みがよみがえってきたのか、まさしく金玉の縮み上がる思いがして、思わず股間に手を当ててしまった。
ナナミはその様子にプッと吹き出すと、書類を出して、そそくさと部屋を出た。
プールサイドの向こうでは、女の子たちが楽しそうに笑い合っていた。

「もー、男子ってば、弱ーい。ケンカでも女の子に負けちゃうの?」

「金玉蹴ったらホントに痛くて動けなくなるんだね。面白―い」

「これからは、女の子に乱暴しないでよ。また金玉蹴るからね!」

女の子たちが引き上げた後、男の子たちが苦しそうに股間をおさえ、プールサイドに転がっていた。




終わり。




この作品は、某BB小説サイトに投稿されていた、としちゃんという方の「女の子の護身術教室」という作品をモチーフにして書かせていただきました。

私が初めて「女の子の護身術教室」を読ませていただいたのは、もう15年以上も前ですが、私にとってはBB小説の原点であり、いまだに興奮させてもらえる、とても素晴らしい作品です。

競泳水着の股間を蹴り上げるというシチュエーションに関しては、この設定以上に興奮する作品を思いつかないため、今回はモチーフにさせていただきました。

「女の子の護身術教室」を読まなければ、私は文章だけで興奮するということも知らず、BB小説を書くこともなかったと思います。
作者の方と作品に、感謝を送ります。


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