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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。

このブログは、男性への急所攻撃をテーマにした


短編小説を掲載していくものです。



女性による金蹴り、玉潰し等が中心になります。


アダルト要素を含みますので、18歳以上の方限定


趣味嗜好の合う方のみ、見て頂ければ幸いです。






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水上アカリは、誰もいなくなった高校の図書館で、独り文庫本を読んでいた。
肩まで伸ばした長い黒髪を、時折かきあげながらページをめくっている。
すでに夕方遅くなり、日は暮れかかっていた。
校庭で部活動をしていた生徒たちも、徐々に家路につき始めたようだ。

すっと図書館のドアを開け、入ってきた男子生徒がいた。
アカリの同級生、岡田ユウキが、緊張した面持ちでそのまま入口に立っていた。
やがてアカリが気がついて、顔を上げた。

「あら。もうそんな時間? ごめんなさい。本に熱中しちゃった」

アカリは時計を見て意外そうに言うと、立ちあがった。

「もう、みんな帰っちゃったの。すぐに閉めるから。岡田君も、準備しといて」

そう言うと、ユウキに背を向けて動き出した。
ユウキはカーテンを閉める彼女の後ろ姿を見て、大きく一つ息を吐くと、持っていたカバンを置いて、入口のドアに鍵をかけた。

広い図書室のカーテンを閉めてアカリが戻ってくると、先ほど彼女が腰かけていたイスの側で、ユウキが服を脱いでいるところだった。
すでに上半身は裸になっていて、ズボンのベルトに手をかけようとしていると、それを眺めるアカリと目が合った。

「どうしたの? 早く準備して」

アカリは小さく笑いながら、促した。
無言でうなずくと、ユウキはベルトを外して、ズボンを脱いでしまった。
その下から、高校生に似つかわしくない、ピッチリとしたブーメランパンツのような黒いブリーフが現れた。

「うん。いいわ」

アカリはうなずいて、そばに歩み寄ってきた。
ユウキは少し恥ずかしそうに、ズボンをたたんで、椅子の上に置いた。

「水上さん…。あの…」

何事か言おうとするのを無視して、アカリはユウキの鼻先近くまで迫ってきた。

「いいわ。ちゃんと、鍛えてるのね。だんだん、筋肉がついてきたみたい」

恥ずかしがる様子もなく、アカリはユウキの体を舐めるように見つめた。
ユウキはバスケ部に所属しており、背が高く、成長期の男子特有の痩せ形の体型をしていたが、アカリの言うとおり、腹筋のあたりがうっすらと割れてきていて、日々の筋力トレーニングの成果がうかがえた。

「い、いや…まあ…」

ユウキがまんざらでもない顔をしたその時、アカリは即座に拳を握りしめ、ユウキの鳩尾を正確に、鋭く打ちぬいた。

「うっ!」

突然のことに、ユウキは息をつめて腹をおさえる。
アカリの拳は小さかったが、それだけにピンポイントで鳩尾を捉えて、衝撃を与えた。

「油断しちゃダメよ」

アカリは薄く笑いながら言った。
白い肌の上で赤い唇が裂けて、それを縁取るような長い黒髪が揺れると、高校生らしからぬ妖艶さが漂った。

「ま、まだ、何も言ってないんじゃ…」

ユウキは咳こみながら、反論した。

ピシャリ! と、アカリはユウキの頬を右手で張った。
顔が一瞬、真横を向いたほどの、強烈な平手打ちだった。
ユウキはダメージを受けたというよりも驚いた顔をして、アカリを見つめた。

「口答えしない」

アカリは毅然とした調子で言い放った。

「私はあなたにチャンスを与えているのよ。どっちが命令できる立場にあるのか、忘れないようにね」

そう言った口元は、少し歪んでいる。
ユウキはその迫力に押されて、ためらいがちに頭を下げた。

「す、すいません…でした。水上さん」

それを聞いたアカリはますます口元をほころばせたが、それを見せないように後ろを振り向いて、ユウキから離れた。

「わかればいいの。じゃあ、始めましょうか。今のでもう2回。今日はあと8回しか残ってないわね。フフフ」

ユウキは意外そうに顔を上げて、アカリの後ろ姿を見た。
その頬には、すでに真っ赤な手形が、くっきりと浮き出ていた。





二人の関係は、2か月ほど前に遡る。
水上アカリと岡田ユウキは、一年生のころから同じクラスだったが、ほとんど話したことはなかった。
アカリは成績優秀で運動神経も良く、大人びた美貌とクールな雰囲気を持っていたが、物静かで、休み時間には教室の隅で静かに本を読んでいるような生徒だった。
ユウキはそんなアカリに出会ったときから密かに恋心を抱いていたのだが、一年生のうちは告白することができなかった。
そして二年に進級し、偶然また同じクラスになったことをきっかけに、気持ちを打ち明けたのである。

「水上さん。俺、あなたのことが好きです。よ、よかったら、その…」

ユウキの不器用な告白を聞いたアカリは、動じる様子も見せず、いつものようなクールな様子を崩さなかった。

「私と付き合いたいということかしら。岡田君が」

「そ、そう…です」

アカリは少し考えるようなしぐさを見せ、やがて怪しく口元をほころばせた。
それは一年間、クラスメイトとして過ごしたユウキが初めて見る表情だった。

「それなら、少しテストをしてもいいかしら? 私、お付き合いする人は、そのテストをクリアした人だけって決めてるの」

「テ、テスト? どんな?」

アカリはさらにほほ笑み、楽しそうに話し始めた。

「私に岡田君を10回、攻撃させてもらえない? 道具は使わないわ。素手で10回、叩かせてもらえればいいの。それを受けても岡田君が立っていられたら、岡田君の言うことを何でも聞いてあげる。どう?」

ユウキはアカリの怪しい笑顔と、その突拍子もない提案に驚いたが、勢い込んで告白した手前、ここで引くことは考えもしなかった。
運動神経がいいとはいえ、所詮は女子である。素手で攻撃するといっても、その威力はたかが知れている。
ユウキはこのテストを喜んで受ける事にした。

「わ、わかった。やるよ」

「そう。じゃあ、まずは服を脱いでもらえる?」

「え?」

ユウキは驚いて、アカリを見た。
放課後の教室で、すでに生徒たちは帰ってしまい、二人きりになっていたが、それでも服を脱ぐというのは常識的ではない。

「防具になるようなものは、一切禁止にしたいの。その服だって、多少は衝撃をやわらげてくれるでしょう? 脱いでもらった方がフェアだわ」

ユウキは何か言いかけようとしたが、アカリの機嫌を損ねたくないと思い、言われた通り、制服の上着とワイシャツ、下着を脱いだ。

「いいかな、これで?」

上半身裸になった状態で、好きな女の子の前に立つという状況に、ユウキはかすかに興奮を覚えた。
アカリはユウキの裸を見てもやはり動じず、むしろ当たり前のような顔をして見つめていた。

「うん。まあ、いいわ。最初だし、準備もしてなかったしね。誰か来るといけないから、一回ですませましょう」

「え?」

その言葉と雰囲気に、何か得体の知れない不安を感じた。
そしてその不安の正体も掴めないうちに、アカリはテストの開始を宣言する。

「いい? いくわよ。それっ!」

アカリは呆然と立つユウキの股間に向けて、蹴りを放った。
ユウキは何の構えもなく、軽く足を広げて立っていたのだが、アカリの細くしなやかな脚は、ユウキの制服のズボンの内側を滑るように伝って、その付け根に吸いこまれた。

ボスッ!

布と布がぶつかり合う、鈍い音がした。
この学校の上履きはいわゆるサンダルのようなものだったが、アカリはそれを脱いで、ユウキの股間に足の甲が食い込むような蹴りを放っていた。

「うっ!」

ユウキは思わずうなって、瞬間的に股間を両手でおさえてしまった。
アカリはすでに脚を引き、冷静な顔でその様子を観察している。

「最初は大丈夫そうなの。でも、2秒たつと…」

アカリの言うとおり、蹴られてから数秒たつと、ユウキの股間から強烈な痛みが湧き上がってきた。

「ああっ…!」

腹の中を捻りあげられるような痛みの渦に、思わず甲高い声を上げる。
ユウキが両手で覆っている睾丸は、二つとも原型をとどめていて変化はなかったが、そこから発せられる痛みは悪夢のように体全体に広がっていった。
顔から脂汗が流れ始め、ユウキの体はその意志に反して前かがみになり、ゆっくりとひざをついてしまった。

「ううっ、う…」

もはやテストのことなど忘れて、痛みに苦しむユウキ。
その姿を、アカリは先ほどのように怪しいほほ笑みを浮かべながら、眺めていた。

「ついたわね。ひざ。岡田君、不合格だわ」

その声は楽しさを噛み殺したようで、ユウキのあえぎ声の中でもよく通った。

「残念だけど、岡田君とはお付き合いできないみたいね。ごめんなさい」

「うう…。水上さん…」

ユウキは、自分が想像したものとはまったく違う結末に直面していた。
いったい誰が、こんなテストを予想しただろうか。
女子からの素手での攻撃に耐えれば、何でも言うことを聞いてもらえる。大方の男子が喜んで受けて立ちそうなテストだったが、あんなやり方で、こんな結果になるとは、ユウキは夢にも思わなかった。
屈辱と痛みで涙が出そうになるのを、必死にこらえていた。

「フフ…。岡田君さえよければ、また挑戦してもかまわないのよ。条件は今日と同じ。変わらないわ」

アカリは苦しみに喘ぐユウキを見下ろしながら言った。

「ただ、今度からはちゃんと準備しなきゃね。人が来ないようなところで、下も脱いでね」

ユウキが再びテストを受けることを見透かしたような調子で言う。
実際、ユウキは痛みに喘ぎながらも、再び挑戦することを心に誓っていた。

「ああ、あと、トランクスは良くないわ。見た目が悪いもの。競泳の水着みたいなののほうが、私、好きよ」

アカリはおどけたように笑った。

「じゃあね。次は、もっと時間をかけてテストしてあげる」

アカリはそう言って、教室を出ていった。






その後、ユウキは2か月間で3回のテストを受けた。
アカリにテストを受けたい事を伝えると、アカリはいつも無表情にうなずいて、放課後の図書館に呼び出すのだった。
アカリは図書委員を務めていて、大抵、図書室に居残っている。そしてほとんど毎日、戸締りをして帰るのだ。

ユウキは誰もいない図書室でアカリと二人きりになり、テストを受ける。
アカリは前に言った通り、2回目のテストからは時間をかけてユウキを痛めつけた。
ブリーフ一枚になったユウキの体に、アカリはどこで覚えたのか、正確な打撃を加えていく。
脛に響く、鞭のようなローキック。脇腹への的確なパンチ。脳を揺らす、顎への打撃。いずれも素人とは思えない、熟練した技だった。
ユウキは中学のころからバスケットに打ち込んではいたが、ケンカや格闘技の経験はほとんどなく、そういった打撃には耐性がなかった。

そこでユウキは、アカリの攻撃に耐えうる体を作るために、部活動以外で密かに筋力トレーニングを始めていたのである。その甲斐あって、成長期のユウキの体は徐々に筋肉の鎧を身につけるようになっていった。
しかし、そんな努力も一撃で空しくするのが、金的攻撃だった。
最初のテストを含めて、今までに3回、ユウキはアカリの金的攻撃の前にひざを屈している。どれだけ筋肉をつけようとも、絶対に鍛えられない急所、それが男の急所だった。
そして今日再び、ユウキはテストを受けるためにきたのである。

「フフフ…。あと8回かぁ。今日は、どこを殴ってほしいのかしら?」

楽しそうに笑うアカリ。
ユウキはそんなアカリの様子に、少しゾッとするものを感じたが、テストの回数を重ねるにつれ、それにも慣れてきた。
いや、最初からアカリのそういう顔を見たくて、テストを繰り返しているのかもしれない。
ユウキがそんなことを考えていると、攻撃が始まった。

ドスッ!

と、ユウキの脇腹に、アカリの右足がめり込んだ。
アカリはまるでキックボクサーのような、しなやかな蹴りを繰り出す。
ひざから下のスナップのきかせ方が、とても素人とは思えなかった。

「うっ!」

ユウキは再び、息を詰まらせて、脇腹をおさえた。

「今日は蹴りを中心に、いきましょうか」

言いながら、アカリは右足でローキックを放つ。
ユウキの左ひざの裏に、ピシャリ! と音を立てて決まった。
ひざが衝撃で曲がりそうになるのを、ぐっとこらえた。

「あと6回」

言いながら、アカリは回りこんで、ユウキの脇腹にひざ蹴りを打ち込んだ。

「くっ!」

ユウキはアカリの連続攻撃に、息をつまらせる。
ひざ蹴りのせいで、アカリの短めのスカートがひらりとめくり上がり、ユウキの目はつい、アカリの白い太ももに行ってしまった。

「フフ…。どこ見てるの?」

アカリはユウキの反応を楽しむかのように、今度は逆の足でひざ蹴りをした。
またもスカートがめくり上がり、アカリの太ももが付け根の間際までのぞけた。

「あっ! ぐ…」

ユウキはアカリのひざ蹴りに苦しみながらも、つややかに躍動するアカリの美しい脚から目が離せない。

「あと4回ね。頑張って、岡田君」

アカリはほほ笑みながら言った。

「そうだ。こんなのはどうかしら?」

ユウキの正面にかまえていたアカリは、突然、右足を大きく真上に上げた。
まるでバレリーナのように、アカリの脚は垂直に上がり、ユウキの目にはアカリのスカートの中が飛び込んできた。高校生に似つかわしくない、赤いレースのパンティーだった。薄い生地の向こうに、うっすらとアカリの恥丘が盛り上がるところまで、ユウキの目にははっきりと見えた。

「えい!」

次の瞬間、ドスっという鈍い音と共に、ユウキの鎖骨にアカリの踵が突き刺さった。
うっと唸って、体をよろめかせるユウキ。
いわゆる踵落としだった。これは初めて経験する攻撃だった。

「やったあ。成功したわ。案外難しいのよ、これ」

珍しく、アカリがはしゃいだ声を上げた。
ユウキの鎖骨には、骨の芯まで響く鈍痛があったが、なんとかひざをつかずに、肩をおさえる程度で済んだ。
まさかアカリが踵落としまでできるとは、夢にも思わなかった。今までのトレーニングがなければ、到底耐えられるものではなかったと、ユウキは実感していた。

「もう一回!」

アカリは苦しむユウキをよそに、今度は逆の左足を高々と上げ、再び踵落としを放とうとした。
ユウキは先ほど打たれた肩をおさえて前かがみになっていたが、目だけはまた、アカリのスカートの中に釘づけになる。

「えい!」

今度はユウキの側頭部に、アカリの踵が振り下ろされた。

「うっ!」

と呻いて、ユウキは頭をおさえるが、ひざをつくまでには至らなかった。
これもまた、筋力トレーニングの成果と、今までアカリの試験に付き合ってきた結果、痛みに対するかなりの耐久性が知らぬ間についてきているらしかった。

「すごい。こんなに蹴っても倒れないなんて、新記録じゃないかしら?」

アカリはユウキの顔を見下ろしながら、感嘆の声を上げた。
そう言われると、確かにアカリの攻撃を8回まで耐えたことは、今までになかったかもしれない。

「う、うん。まあ…」

体のあちこちは痛んでいたが、ユウキは自分の肉体の耐久性を自分でも誇りたいような気持になった。
実際、アカリの攻撃は素人が簡単に耐えられるようなものではなく、下手をすれば一撃でKOされてしまいそうなものばかりだった。

「鍛えてきた結果ね。すごい筋肉だもの。触ってもいい?」

ユウキの体を改めて正面から眺めていたアカリは、その胸板にそっと手を伸ばした。

「あ、うん…」

ユウキは驚いたが、ほとんど反射的にうなずいた。





アカリは右手の指先でユウキの胸板を撫で、そのまま下の方に向かい、うっすらと割れた腹筋の境目をなぞった。

「堅い…。すごいわね、男の子って。女の子には、こんな堅い筋肉はいくら頑張ってもつかないわ」

アカリはつぶやきながら腹筋を撫でていく。
アカリの素人離れした攻撃に痛めつけられたユウキも、男としての力強いタフさを褒められて、悪い気分ではなかった。
さらにアカリの視線は、腹筋の下、下腹部へと移っていく。

黒いブーメランパンツに包まれたユウキの股間は、さきほどアカリのスカートの中を見たせいか、大きく膨らんでしまっていた。
ユウキはアカリの視線が股間に向けられたとき、初めてそれに気がついたが、今さらどうすることもできない。

「ここも…」

アカリは無表情にその膨らみを見つめ、腹筋をなぞった手でそのまま触ろうとしたが、寸前で止めた。

「堅くなってるみたいね。フフフ…」

ユウキの顔を見上げて、小さく笑った。
ユウキは驚きと恥ずかしさで顔を真っ赤にし、それでも美しいアカリの顔から眼をそらすことができなかった。

「岡田君、今日はこれも脱いでくれないかしら? 私、岡田君の全部が見てみたくなっちゃった」

アカリの口から出た言葉は、ユウキの頭にハンマーで殴ったような衝撃を与えた。
ほとんどすべてをさらけ出している自分に残された、最後の一枚を脱ぐ。アカリの前で。好きな女の子の前に出す。自分の性器を。外で。学校で。その後は。今から何をするのか。

「あ…」

様々な言葉がユウキの頭の中を駆け巡り、ちょっとした混乱状態になってしまったが、それを見透かしたかのようなアカリの声が、ユウキを現実に引き戻した。

「でも、まだ試験は終わってないのよ。あと2回の攻撃を、耐えられるかしら」

アカリは意地悪そうなほほ笑みを浮かべている。
ユウキはその言葉で、我を取り戻した。

「ぬ、脱ぐの…?」

「岡田君さえよければ。ちょっとしたご褒美もあるかもしれないわよ?」

ユウキにはその言葉の意味が分からなかったが、ここまできた以上、彼女の言うことに逆らう気持ちはなかった。
無言でうなずくと、自らのパンツに手をかけて、ためらいながらも脱ぎ捨てた。

「フフフ…」

顔を真っ赤にしながらも、仁王立ちになったユウキの股間のペニスは、堂々と天を突きさしていた。
アカリはそれを見て、得体のしれない小さな笑い声をあげる。
その表情には恥ずかしがる様子はなく、いつも通り落ち着いたものだった。

「いいわ。とってもセクシーね。鍛えられた男の人の体って、何も着けない方が美しいと思うの」

アカリは一種感動したような調子で、丸裸になったユウキの肉体を見つめ続けた。
一方のユウキは、自分が好きになった女の子の前で全裸になり、観察されるという異常な状況にも関わらず、密かな興奮を感じ始めていた。
自分でも不思議な高揚感だったが、それは肉体にも顕著に表れ、堅く勃起していたユウキのペニスは、さらに膨張し、その先からうっすらと透明な液体がにじみ出しそうになっていた。

「私ね、男らしい人が好きなの。だからとにかく男らしい、力強い体を持った人を探してたのよ。岡田君は、ひとまず合格といえるかもね」

意外な言葉に、ユウキはアカリの顔を見つめた。
アカリはそんなユウキを見つめ返して、ほほ笑む。

「ねえ、岡田君。男の人が一番男らしいときって、どんな時だと思う?」

「え…?」

ユウキは言葉につまった。

「私はね、こう思うの。岡田君みたいに大きくて、力強くて、打たれ強い人が、私の指一本でひざまずいちゃうときが、一番男らしいって」

そう言うと、アカリは右手を伸ばして、ギンギンにそそり立ったユウキのペニスの下、金玉袋の前で指を弾く構えを取った。
ユウキが目を落とすと、アカリの中指はギリギリと引き絞られた弓矢のように曲げられ、今にも解き放たれそうになっている。

「9回目。耐えられるかしら」

にっこりと笑うと、アカリはユウキのむき出しになった金玉に、思い切りデコピンを放った。





ピシッ! 

と、アカリの細い指先の爪が、ユウキの金玉を跳ね上げた。

「くっ!」

瞬間、ユウキは自分の金玉袋の表面に鋭い痛みを感じて、思わず股間をおさえた。
そして数秒後には、吐き気を催すような鈍痛が、跳ね上げられた左の金玉から湧き上がってきて、下腹部全体を覆う。

「あぁ…う…」

ユウキは両手で股間をおさえたまま腰を引いて、限界まで上半身を折り曲げて、痛みに耐えた。
両足をこすりつけるように内股になり、なんとかひざをつかないようにするが、その顔からはすでに大量の汗が滲みだしていた。

「くぅぅ…」

どんなに体を鍛え上げても無駄だった。
アカリの言うとおり、女の子の指一本で、完全に行動不能にさせられてしまう。
かがみこむユウキの目の前には、アカリのスカートと白い太ももが見えるが、彼女の脚の付け根には、今自分が必死でおさえているような金玉はついていないのだ。そう思うと、ユウキは男としてのプライドを根こそぎ刈り取られるような気分になってしまった。

「……」

ふと、ユウキの目の前で、アカリのスカートがゆっくりとたくし上げられていき、彼女の赤いレースの下着が徐々に露わになっていった。

「!」

ユウキは驚きながらも、下着越しにアカリの秘部を凝視し、やがてスカートがすべてたくし上げられた時に、彼女の顔を見上げた。

「…いいわ。岡田君。とっても男らしい」

アカリは頬をうっすらと赤く染めて、興奮している様子だった。
その目は恍惚とした光を宿し、金玉の痛みに苦しむユウキを見ている。

「指一本の攻撃で、立てなくなってしまうくらいの男の急所。その急所の痛みに、必死で耐える男の子。そしてそんな時でも、女の子のアソコから目が離せない男の本能。ぜんぶぜんぶ、すっごく男らしくて素敵だわ」

ユウキが初めて見る、性的な興奮をおさえきれない様子のアカリだった。

「もっと見て。私は女の子なの。岡田君みたいに、急所なんかついてないのよ。羨ましいでしょ?」

アカリは自分の優位性を示すかのように、自らの股間をユウキの鼻先に突きつけた。眼前に迫るアカリの秘部が、わずかに湿り気を帯びていることが、下着越しでもユウキにはわかった。

「そんなに痛くて苦しむくらいなら、いっそのこと女の子になりたいと思わない? でもダメ。岡田君は男で、私は女なの。私は一生、男の苦しみは味わわなくていいのよ。フフフ…」

アカリは挑発するように笑った。
ユウキの金玉の痛みは、そうしている間にも一向に静まる気配がなく、少しでも体を動かそうものなら、鋭い痛みにひざをつきそうになってしまっていた。
事実、ユウキはそんな痛みと苦しみを味わうことのないアカリを、心底羨ましいと感じ、できることなら苦しみの根源である自分の男のシンボルを投げ出したいとさえ思っていた。

「み…水上さん…」

ユウキは喘ぐように、アカリを見つめた。
まだ、ひざはついていない。アカリの攻撃は、あとたったの1回だった。

「倒れないのね。すごいわ。ホントにすごい。でも、次に私がどこを攻撃するか、もう分かってるでしょ?」

アカリは間違いなく、再びユウキの金玉を攻撃する。
今、ギリギリのところで耐えているユウキの体は、あとほんの少しでも金玉に衝撃を加えられれば、簡単に倒れてしまうだろう。

「あ…」

先ほどの苦しみ以上のものを与えられる恐怖に、ユウキの体は震えた。

「私は、岡田君の急所を蹴るわ。今までにないくらい、強くね。だからここでギブアップして、ひざをついてもかまわないのよ。でもその時は、もうこのテストは終わり。再チャレンジは認めないわ」

ゆっくりだが、意見をはさむことを許さない調子で、アカリは言い放った。
ユウキはアカリに見下ろされながら、改めて自分の立場がアカリより下にあるものだと確認した。

「今、急所を蹴られれば、きっとこれまでにないくらいの、地獄の苦しみでしょうね。私には分からないけど。フフ…。岡田君はそれでもやるかしら? それとも私のことを諦める?」

完全に自分を支配下に置いたアカリの目を見ていると、ユウキの頭の中に黒いもやのようなものがかかって、何も考えられなくなってしまった。
ただユウキは、この苦しみの中に、わずかな愉しみも見出していた。
それは金玉の苦しみに比べれば、何万分の一とも言えるわずかな量の愉しみだったが、アカリに自分の急所を支配されているような、被虐的で倒錯した興奮に近いものだった。

「お、お願いします…。水上さん…」

気がつくと、ユウキは上体を起こし、大きく足を開いて、アカリの前に立っていた。ユウキ自身にも、不思議な出来事だった。
これから金玉を蹴られ、その痛みに自分はのたうち回ることになるのは分かり切っているのに、その恐怖は、かえって興奮をあおるものだったのだ。

「…いいのね?」

アカリはしかし、獲物を待ち構える獣のような目でユウキの股間を見つめた。
先ほど痛めつけられたユウキの性器は、それを微塵も感じさせず、これまで以上の勢いでそそり立っている。

「そんなに私のことが好きなの?」

ユウキは恐怖に震えながら、わずかにうなずいた。
アカリはそれを見て少し笑うと、ホックを外して、スカートを床に落とした。
赤い下着に包まれたアカリの秘部は濡れ、長く伸びた白い脚は、ユウキの興奮をさらに誘った。

「えいっ!」

言葉通り、これまでにないスピードとしなやかさで、アカリは右脚をユウキの股間に叩きこんだ。

パチィン!

ユウキの金玉は、アカリの足の甲と脛の間、最も細く堅い部分で跳ね上げられてしまった。
ユウキの体に一瞬、電撃のような痺れが走り、やがてゾワゾワとした寒気のようなものが、腰のあたりから全身に広がって行った。

「素敵よ。男らしいわ」

恍惚とした表情でつぶやくアカリの言葉は、もはやユウキには届かなかった。
ユウキは口をぽっかりと開けたまま、視線を宙に漂わせ、やがてひざをガクガクと震わせると、糸の切れた人形のように尻もちをついて倒れてしまった。

「10回目。倒れちゃったわね」

もはや意識も定かでないユウキの口の端からは、細かい泡が吹き出し、股間をおさえようともせずに、ひっくりかえったカエルのように仰向けになって、痙攣していた。

「私も好きかも…。岡田君のこと…」

ユウキを見下ろすアカリの頬は赤く染まり、その目にはうっとりと酔うような煌めきがあった。

「だからまたやりましょう。テストをね…」

アカリは愉しそうな笑いを浮かべると、足元に落ちたスカートを履き直して、ユウキの傍から離れて行った。
ユウキは朦朧とした意識の中で、アカリの声を聞いたような気がした。


終わり。






とある小さな町の拳法道場。実践的な武道が学べると評判の道場で、小中学生を中心に、数十人の生徒が週二回、稽古に励んでいた。
一つ問題があるとすれば、それは女の子の生徒が、小学4年生のマユ一人しかいなかったことだろう。
マユは熱心に稽古に通ってきていたが、ややおとなしめの性格で、男の子ばかりの道場では、遠慮しがちなところがあった。

「よし。みんな、ちょっと集まれ」

稽古が始まって間もなく、師範が生徒たちを集めた。
今日の稽古には、小学校高学年を中心に、十数人の男の子たちが来ている。
マユも、いつもどおり稽古に来ていた。

「今日からこの道場に、新しい仲間が加わることになった。ウチでは貴重な、女子の生徒だ。さあ、自己紹介しなさい」

「はい」

師範にうながされて、隣にいた道着姿の女の子があいさつをした。

「橘サヤカ、小学5年生です。よろしくお願いします」

「お願いします」

生徒たち全員が声をそろえた。
サヤカは5年生にしては背が高く、長めの髪を後ろで結んだ、かわいらしい女の子だった。
よく焼けた肌と大きな目が、活発で少しヤンチャそうな印象を男の子たちに与えた。

「サヤカは前にいた町で、先生の同級生の道場に通っていたんだ。頑張り屋で、上手らしいからな。お前たちも、負けないようにしろよ」

「はい!」

「じゃあ、サヤカは、マユの隣でやりなさい。あの子だ」

「はい」

サヤカは師範の言うとおりに、マユの隣に並んだ。
マユは初めての女の子の生徒の入門に、緊張しながらも目を輝かせて歓迎した。

「では、基本練習、はじめ」

「はい!」

生徒たちは再び道場に散り、基本の稽古が開始された。
師範の号令のもとに、突き、蹴りなど、整然と、しかし気合十分に行われていく。

「やあ! やあ!」

サヤカは師範の言うとおり、なかなか鋭い動きをしていた。
マユや近くにいる男の子たちも、サヤカの動きを横目で観察し、その動きに密かに感心していた。

「えい! えい!」

そんなサヤカを、後ろから面白くなさそうに見ていたのは、中学1年のショウタである。
ショウタは道場に通って4年ほどになるが、同年代では一番の使い手で、本人もそれを自負していた。
ただ欠点は、少々気が荒く乱暴者で、ガキ大将的な気質があるところだった。
組手の際は、体格や技術で押していても、冷静さを欠き、不用意な攻撃をしかけてカウンターをもらってしまうことも多々あった。

「ショウタ、どこ見てるんだ。集中しろ」

師範の拳骨が、ショウタの頭を打つ。

「ってぇ。はい」

師範からこんな注意を受けるのも、いつものことだった。

やがて基本の稽古が終わり、組手をすることになった。
この道場では、防具とグローブをつけた、寸止めなしの組手をすることを指導している。
ルールは組手をする人間によって師範が決めるが、基本的には顔面、金的ありの3本勝負。
防具をつけているとはいえ、危険なので、師範の判断で勝敗を決めることもあった。

「それまで」 

何組かの組手が終わり、師範が次の組み合わせを選ぼうとした。
組み合わせは、できるだけ実力や体格の近い者同士が当たるようにしている。

「次は、いきなりだが、サヤカ、やってみるか?」

「はい。やります」

サヤカは指名を受けて、むしろ意気揚々と立ち上がった。
その快活な姿に、ショウタは少し苛立ちを感じる。自分の道場で、新入りが目立つのが気に入らないのである。

「よし。じゃあ、相手は…」

「俺、やります。やらせてください」

ショウタは言うと同時に立ち上がり、師範の返事を待たず、防具の面をつけ始めた。

「ん? まあ、いいか。ショウタ、やってみろ」

師範もそれに押されて、ショウタを指名することになった。
道場の中央にサヤカとショウタが向かい合い、お互いに礼をする。

「お願いします」

意気込むショウタとは対照的に、サヤカは嬉々として、組手を楽しむ姿勢で臨んだ。

「はじめ!」

合図とともに、二人は構え、距離を取った。
サヤカは軽いフットワークで、リラックスしているが、ショウタは鼻息を荒くしていた。
新入りに自分の強さを見せつけることで、今後の道場での上下関係をハッキリさせておこうという腹である。
女の子との組手自体、ほとんどやったことがないため、手加減しようという発想はショウタにはなかった。





「えい!」

ショウタが大きく踏み込み、突きを放つ。
しかしサヤカは前に構えた手で、それを打ち払って防御した。
ショウタは少し驚いたが、間髪入れず、中段に蹴りを放った。
しかしこれも、サヤカは軽いフットワークでかわしてしまう。

「やあ! えい!」

ショウタが次々と攻撃を放つが、サヤカはそれをことごとく防御し、かわしていく。
ショウタは例によって、頭に血が上ってしまった。

(この人、攻撃はまあまあだけど、防御は全然だな)

サヤカは冷静に、ショウタを観察していた。
正直言って、サヤカが攻撃を出せるタイミングは何度かあったのだが、一応、入門初日ということで、サヤカは遠慮していたのである。

(特に、金的のガードが甘いんだけど…)

以前の道場で、日常的に男の子と組手をしていたサヤカにとって、ショウタの金的のガードはウソみたいに甘いものだった。
つい蹴りそうになってしまうが、金的蹴りを受けて悶絶する男の子を何度となく見てきたサヤカは、初日からショウタにその苦しみを味わわせることを躊躇してしまっていたのだ。

(でも、やっぱり、しょうがないよね。ゴメン)

サヤカはショウタの突きをかわすと、がら空きの金的に、蹴りを打ち込んだ。金玉に軽く当たるくらいの、手加減した蹴りである。

「う!」

それでも、金的蹴りに慣れていないショウタにとっては、十分すぎる衝撃と苦痛であった。

「一本。サヤカ」

ショウタは股間をおさえてひざをつき、師範は組手を止めた。
まわりで見ていた男の子たちからは、驚きの声があがる。
サヤカはかがみこんでいるショウタに一礼すると、何事もなかったかのように開始位置に戻った。

一方ショウタは、久しく忘れていた男の痛みに苦しんでいた。
頭に上っていた血が一気に下がり、脂汗をかいている。

「大丈夫か? 続けられるか?」

師範がショウタの顔を覗き込む。

「は、はい。なんとか…」

ショウタは顔をゆがめながら、下腹をおさえて、ゆっくりと立ち上がった。
本当はまだ座って休んでいたいくらいの痛みだったが、男のプライドと、新入りの女の子にやられた屈辱が、ショウタを支えていた。

「よし。では、はじめ」

再び組手が始まった。
しかし、依然として軽いフットワークのサヤカとは対照的に、ショウタの動きはにぶく、腰がかなりひけていた。
一歩足を動かすたびに、金玉の痛みが下腹部全体に広がるのだ。
自分にこんな苦しみを与えたサヤカへの怒りがあったが、気持ちに体はついていかなかった。

(やっぱり、効いてるな。男の子だもんね。じゃあ、フェイントで)

サヤカは足の動かないショウタの金的を狙って、再び前蹴りを出した。

「うお!」

ショウタはまた急所を蹴られるという恐怖心から、つい、腰を大きく引いてしまう。
そこに、サヤカの素早い顔面突きが飛んできた。

「えい!」

見事な突きが、ショウタの面に決まった。

「一本。二本先取。サヤカの勝ち」

「あ、そんな…」

サヤカの顔面突きは、普段のショウタならかわせるはずのものだった。
こんなはずではなかったと、悔しそうにサヤカを見るショウタ。
サヤカは一礼して面を外すと、嬉しそうにマユのもとに駆け寄っていった。

「ショウタ、下段のガードが甘いぞ。これからは油断するな」

自分の力を誇示するはずが、情けない負け方をしてしまったショウタは、うなだれたまま、ひそかな怒りをサヤカに向けていた。





稽古が終わった後、更衣室でマユとサヤカが着替えていた。
男子たちは、もう全員帰ってしまっている。
今まで女の子はマユ一人だったので、男子が全員着替え終わった後、マユが更衣室を使っていたのである。

「でも、サヤカちゃんってホントにすごいね」

「なんで? そんなことないよ」

「だって、あのショウタ君に勝ったんだもん。同い年の子の中では、一番強いんだよ」

「あ、そうなんだ。でも、あのショウタ君って、ガードが甘かったからね」

「そうなの? それって、あの…アソコのガード?」

おとなしいマユは、金玉や金的という言葉がなかなか出てこない。

「そう。金的。ぜんぜんガードしてなかったよ。あそこ狙えば、マユちゃんでも勝てると思うけどな」

「そ、そうかな。私、あんまりやったことないから…」

「え、やったことないの? なんで? 男子にはタマタマ蹴るのが、一番効くんだよ。ウソみたいに痛がるもん」

「そうなの? でも、前に間違ってショウタ君の…アソコにちょっと当てちゃったときがあって、その日の稽古が終わった後、すごく怒られたから…」

「えー、アイツ、そんなことしたの? 意味わかんない。私が前にいた道場では、女子はみんな、男子の金的狙ってたよ。男子もそこそこガードしてたけど。マユちゃんも、どんどん狙っていいと思うよ」

「そ、そうかなあ…」


着替えが終わって、サヤカとマユは道場を出た。
時刻はもう夜で、あたりは真っ暗になっている。
二人がおしゃべりをしながら歩いていると、後ろから呼び止める人影があった。

「おい」

二人が驚いて振り向くと、そこには着替えてジャージ姿になったショウタと、ショウタの同級生のマモルとケンイチの姿があった。

「びっくりした。何か用なの?」

ショウタの声の調子には、十分な敵意が感じられたので、サヤカとマユは少し身がまえた。

「お前、サヤカつったっけ? 卑怯な手使って俺に勝ったからって、調子のるんじゃないぞ」

「はあ? 卑怯って何よ? 金的蹴りのこと?」

「キンタマ蹴るなんて、卑怯者のすることなんだよ。そんなんで勝って、嬉しいのかよ」

「そうだ、そうだ」

「正々堂々とやれよな」

ショウタが脅かすような調子で言うと、マモルとケンイチも同調した。
サヤカの隣では、マユが震えている。
ショウタは以前にもこんな風に、マユに脅しをきかせたのだろう。
そんなマユを見て、サヤカはショウタに怒りを覚えた。

「意味わかんない。金的攻撃は、ウチの道場では反則じゃないんですけど。負けたからって、言いがかりつけるの、やめてくれる?」

「うるせえ。反則じゃなくても、卑怯なんだよ。男は誰もやらねえんだぞ」

「へー、そうなの? でもそれってさ、アンタたち男子には、みんなタマタマがついてるからじゃないの? 人のを蹴ったりしたら、自分も蹴られちゃうもんね。大事な大事なタマタマをさ」

サヤカはショウタの股間を指さして、笑った。

「なんだと?」

「でも、残念。私たち女子には、か弱いタマタマなんかついてないからさ。どんなに男子のタマタマを蹴っても、蹴られる心配がないんだよね。だから、私たちはこれからどんどん蹴らせてもらいますから。潰されないように、気を付けてね」

「てめえ! 蹴ってみろよ! ホントは俺たちだって、キンタマ蹴られたって、大して痛くねえんだよ。ただちょっと、びっくりするだけだ」

「ウソばっかり。ねえ、マユちゃん知ってる? 男子はね、タマタマを蹴られると、タマタマがお腹の中に上がって、降りてこなくなって、それがすっごい痛いんだって。だから、タマタマを降ろすために、ピョンピョン飛び跳ねるらしいよ。バカみたいだよねー」

サヤカはマユに笑いかけながら、その場を去ろうとして、後ろを向いた。
しかしショウタたち男子の怒りはおさまるはずがなく、ついにショウタはサヤカに後ろから襲いかかった。





「きゃあ!」

ショウタはサヤカの背後から中段蹴りを見舞い、サヤカは不意の攻撃で、前のめりに倒れこんでしまう。

「サヤカちゃん!」

あわててサヤカに駆け寄るマユ。

「調子のるなよ! お前のキンタマ蹴りなんか、ぜんぜん効かないんだからな」

ショウタは仁王立ちで、サヤカを見下ろした。
マモルとケンイチも、ショウタの行動に驚きはしたものの、今の状況に満足していた。

「サヤカちゃん、大丈夫?」

サヤカは倒れてしまったものの、それほどのダメージは受けていなかった。
手のひらを擦りむいたくらいだったが、ショウタへの怒りが、そんなことを忘れさせるくらいに燃え上っていた。

「もう、許さない!」

サヤカは素早く立ち上がった。

「やるか!」

ショウタは身構えたが、サヤカは右手に持っていた道着を、思い切りショウタの顔面に投げつけた。

「え!」

ショウタは反射的に、道着を両手で受け止めるが、そのときはすでにサヤカが視界から消えていた。

「えい!」

サヤカはショウタに素早く近づき、がら空きになったショウタの股間に、組手の時とは比べ物にならないほど強烈な蹴りを叩き込んだ。

バシンッ!

足の力を抜き、ひざから下のスピードを重視して、足首のスナップをきかせた、お手本のような金的蹴りである。
怒りの中でも冷静さを失わないサヤカだった。

「う!」

サヤカはショウタの金玉が、二つともしっかりと自分の足の甲に乗ったのを感じ、さらにそれを容赦なくショウタの恥骨に挟み込むように蹴りあげた。
今まで数多くの男子の金玉を蹴りあげて、悶絶させてきたサヤカだったから、男子が最も苦しむような蹴り方は十分に心得ていたのだ。

「あ…あ!」

ショウタは瞬間的に腰を引いて爪先立ちになり、その足が地面に着くとともに、両ひざが崩れて、前のめりに倒れこんだ。
両手で股間をおさえて、サヤカに土下座するような体勢になる。

「うぐうう!」

もはや金玉の痛み以外の感覚は、ショウタにはなかった。
サヤカの足に押しつぶされた二つの金玉からは、重苦しい痛みが、津波のように大きくとめどなく、湧き出してくる。
手で押さえても、足をジタバタさせても、一向にこの痛みはおさまることはなく、ただ脂汗を流し、男に生まれたことを後悔しながら、時間が過ぎるのを待つしかなかった。

「どうしたの? 私の金的蹴りは、効かないんじゃなかったの?」

サヤカはショウタを見下ろして、勝ち誇ったように言った。
ショウタは苦しみに喘ぎながらそれを聞いていたが、言い返すことなどとてもできない。チラリと目を上げたときに、サヤカの短めのスカートの中に、白いパンツが見えた。しかしその股間部分は平らですっきりとしていて、今、自分が両手でおさえている膨らみなどあるはずもない。
ショウタはそれを思った時に、心底サヤカに敗北したような気がした。

「てめえ、よくもショウちゃんを!」

不意の出来事に驚いていたマモルだったが、やがて気を取り直すと、サヤカを威嚇しながら向かってきた。

「なによ。アンタも痛い思いしたいの?」

「うるせえ!」

マモルは叫びながら突きを放つが、怒りにまかせた攻撃がサヤカに当たるはずはなく、サヤカは冷静に、マモルの体勢が崩れるのを観察していた。

「ほら」

ズボッ!

と、サヤカの金的蹴りが、マモルの股間に突き刺さる。
軽くスナップを効かせた蹴りだが、これも当たり所が良かった。

「うえ!」

マモルもまた、地面にひざまずくことになった。

「痛えよぉ」

マモルは股間を両手でおさえながら、あまりの痛みに、思わず泣き出してしまった。

「だから、言ったでしょ。ちゃんとタマタマ、ガードすればいいのに」

サヤカはマモルが泣いてしまうほどの痛みを与えていながら、他人事のように諭した。
しかし、サヤカは油断した。
ケンイチは友達二人があっという間にやられてしまったことに驚いたが、男のプライドを否定するかのようなサヤカの金的攻撃に怒りを燃やし、不意をついて、背後から襲いかかろうとしたのである。





「サヤカちゃん!」

駆け出しのは、今までサヤカの鮮やかな金的蹴りに見とれていたマユだった。
ケンイチがサヤカの背後から一撃を加えようとしたのを見ると、反射的にマユの足が動き、それはケンイチの無防備な股間に、ごく自然な形で吸い込まれるように命中したのである。

バシン!

と、気持ちのいい音がして、ケンイチの金玉は、マユの小さな足の甲に叩き上げられてしまった。

「うおっ!」

まったく予想しなかった所からの攻撃に、ケンイチは一瞬、何が起こったのかも分からなかったが、下腹部から湧き上がってきた強烈な痛みで、自分も戦闘不能になったことだけは、すぐに理解できた。

「マユちゃん! ありがとう。やるじゃない」

「あ…。私、蹴っちゃった…。タマ…タマ…」

マユは自分のとった行動が信じられないというように、呆然としていたが、目の前で崩れ落ちるケンイチの姿を見て、何が起こったのかを理解したようだった。

「どんどん蹴っちゃっていいよ、こんなヤツら。後ろから蹴るなんて、アンタの方がよっぽど卑怯じゃない。ねえ、聞いてんの?」

サヤカは、地面に額を擦りつけて必死に痛みに耐えているショウタの髪の毛を掴んで、無理矢理顔を上げさせた。

「ねえ! 謝ってほしいんですけど」

ショウタは既に戦意喪失し、サヤカの気迫に恐怖を感じた。
謝ろうとするが、キンタマの痛みのせいで、うまく声が出ない。口をパクパクさせて、何か訴えようとしていた。

「はあ? ちゃんと謝りなさいよ。まだ痛い思いしたいの?」

サヤカはショウタの態度に苛立ち、ショウタが必死でおさえる両手の隙間から手を入れて、先ほど自分が蹴りあげたばかりの金玉を掴んだ。
サヤカはまったく力を入れてない状態だったが、蹴られた直後のショウタの金玉は、極端にデリケートになっていた。
触られただけでも、電撃のような痛みが全身に走った。

「はうう!」

「謝れって言ってんの。ねえ!」

サヤカはショウタを睨み付けて、金玉を掴む手に少し力を込めた。
ショウタは、金玉から湧き上がってくる次元の違う痛みに全身を痙攣させたが、最後に残った力を振り絞って、必死に叫んだ。

「ご、ごめんなざい! ごめんなざい!」

「なんだ。できるじゃん。それでいいのに。許してほしいの?」

サヤカはひとまず気をよくしたが、この際、さらにショウタをなぶりたい気持ちになった。

「ゆ、ゆるじでぐだざい! おねがいじまず!」

「ふーん。タマタマ、放してほしいの?」

ショウタは必死の形相でうなずいた。
その間も、サヤカはショウタの金玉を手のひらの中でコロコロと転がしている。

「じゃあ、放してあげる。男子はこんなタマタマがあって、弱くて、かわいそうだからね」

どれだけ屈辱的な言葉を浴びせられても、今のショウタには言い返す気力はなかった。
ただ、金玉を襲っているとめどない痛みから、一刻でも早く解放されたいという思いしかなかった。

「でも面白いから、最後にギュッとさせて」

サヤカは言葉通り、手を放す前に、ショウタの金玉を力を込めてギュッと握った。
ショウタはもはや叫び声を上げることもできなかったが、再び電撃のような痛みに全身を貫かれて、一瞬背筋をピンと伸ばすと、その後倒れ込むように地面に突っ伏し、ヒソヒソと泣き声をあげた。

「あー、面白かった。ねえ、アンタたちもギュッとしてほしい?」

サヤカは一連の様子を、恐怖の面持ちで眺めていたマモルとケンイチに笑顔で尋ねた。
マモルとケンイチは、必死で首を振った。

「すいませんでした! すいませんでした!」

「ごめんなさい! もうしませんから!」

二人はもはや必死で謝る以外の選択肢を持たなかった。
サヤカは年上の男の子たちの泣いて謝る姿に、ちょっとサディスティックな満足感を感じた。

「そっか。まあ、もういいよ。行こう、マユちゃん」

「あ、うん」

マユは今まで自分が恐れていた年上の男の子たちを、いとも簡単に叩きのめしたサヤカをほれぼれと見つめ、また自分も、少しその手伝いができたことに、密かな達成感を抱いていた。

「じゃあね。タマタマ、お大事に」

サヤカが立ち去ろうとすると、マモルとケンイチは、ホッとしたような表情を浮かべた。

「あ、言っとくけど、私が本気で蹴ったら、全然こんなもんじゃすまないからね。前に私に蹴られた男子は、その場で泡吹いて、おしっこ漏らして気絶しちゃったから。稽古中に当てちゃうこともあるかもしれないけど、そのときは頑張って、おしっこ漏らさないようにしてね。バイバイ」

サヤカの笑顔を見た三人の男の子たちは、もう道場をやめようかと、真剣に考えてしまった。

終わり。





その日は、ハヤトにとって最悪の日だった。
朝から雨が降っていて、小学校につくと、げた箱は傘を持った生徒でいっぱいだった。みんなそれぞれ、傘を振って雨粒を落とし、キレイにたたむ子もいれば、そのままぐしゃぐしゃに丸める子もいる。
そんな混雑の中、ハヤトは突然、股間に鋭い痛みを感じたのである。

「くっ!」

と、ハヤトは思わず小さく声を上げた。
どうやら、誰かが振り回していた傘が、ハヤトの股間のタマにうまく当たってしまったらしい。
ハヤトは苦しみに顔を歪めて、へそのあたりを片手でおさえながら、痛みに耐えた。
げた箱はごった返しているため、ハヤトに傘を当てた犯人は見つかりそうもない。犯人自身、ハヤトのキンタマを攻撃してしまったことなど、気がつかなかったのではないか。
ハヤトは仕方なく、密かに痛みに耐えながら、靴を脱いで、げた箱を後にした。


昼休み、ハヤトはいつものように、図書館で本を読んでいた。
小学生だから、昼休みはほとんどの生徒は校庭で遊んでいる。図書館には、それほどたくさんの生徒は来ていなかった。
一冊の本を読み終わったハヤトは、別な本を読もうと、本棚の方に向かった。
狭いスペースを有効活用するために、本棚はびっしりと並べられていて、間をすれ違うのもギリギリだった。

ハヤトは本を眺めながら、何気なく本棚の間を歩いていると、左手前方に、背中を向けて本を選んでいる女子の姿を見た。
ハヤトは気にも留めなかったが、その女子はハヤトが近づくと、突然顔を上げて、ハヤトに背中を向けたまま身をひるがえした。手には分厚い本を持っていて、それがハヤトの股間に向かって、振り下ろされた。

ゴスッっと鈍い音がして、ハヤトのキンタマは本の角で打ちつけられた。
ハヤトは瞬間、うっと息を詰まらせ、股間を両手で押さえ、本棚によりかかってしまった。

「あ、ごめんなさい」

ハヤトに本を当てた女子は、横目でハヤトをチラリと見て、去っていってしまった。
ハヤトは何か言いたかったが、キンタマに当たったとは恥ずかしくて言えず、そのままゆっくりと、図書館の床に尻もちをついてしまった。


午後からの授業でも、ハヤトはズキズキと痛むキンタマを、度々おさえたり、さすったりしていた。
今日はもう、早く帰ろうと思い、帰りの会が終わるとすぐに、ハヤトはランドセルを背負って教室を出た。

廊下を曲がって階段を下り、踊り場にさしかかった時、下から女の子二人が駆けあがってくる声を聞いた。
二人は追いかけっこをしながら、勢いよく階段を上ってくる。
右に避けようとしたハヤトとちょうど同じ方向に、その女の子も避けてしまった。
二人は正面衝突しそうになるが、ハヤトはなんとか身を捻ってかわした。
しかしその瞬間、階段を跳ねあがってきた女の子の膝が、ハヤトの股間に吸いこまれるように当たってしまった。

「ぎゃっ!!」

ハヤトは思わず叫んで、膝から前のめりに崩れ落ちてしまった。
両手でキンタマをおさえて、つま先をジタバタとさせて、痛みに震えている。

「あ、ごめんなさい。大丈夫?」

「あーあ。ぶつかっちゃった」

ハヤトにぶつかった女子は、心配するような声をかけた。その後ろから、追いかけてきた女子が、様子をうかがっている。

「あの、大丈夫? どこかに当たったの?」

ハヤトはキンタマの痛みに脂汗を流しなら、かろうじて答えた。

「ちょっと…お腹に…」

それを聞くと、女の子二人は神妙な様子で顔を見合わせて、やがてこらえきれずに爆笑した。

「アハハハハ! お腹だって。お腹に当たったら、そんなに痛いの? ウケる!」

「ウソばっかり! アタシの膝が、アンタのタマタマに当たっちゃったんでしょ! アハハハ! なんでごまかそうとしてんの? 知ってるよ。アタシ、狙ったんだもん!」

ハヤトは驚いた表情で、二人が笑い転げるのを見上げていた。

「アハハハ! あー、おっかしい。アンタ、昼休みもごまかそうとしたでしょ? せっかくいい感じでタマに入ったと思ったのに。頑張って、隠そうとしたの? 超ウケる!」

「ねー。傘もけっこううまく当たったのにさあ。あんまり痛がらないんだもん。ピョンピョンするのが見たかったのになー」

ハヤトは痛みに耐えるので精いっぱいだったが、とりあえず、今日の一連のキンタマへの不幸は、どうやら彼女たちの仕業だったらしいことは理解できた。

「やっぱ、膝蹴りが一番効くよねー。ねえ、痛いの? どう痛いの?」

ハヤトは女の子に覗きこまれて、思わず顔を伏せてしまった。
恥ずかしさと痛みが、同時に彼の心と体を襲う。

「痛いよ。絶対。男の急所だもん。あー、待って、今気づいた。アタシもぶつかった時に、アソコ打っちゃったー」

ハヤトにぶつかった女子は、おどけながら、ハヤトがやったように両手で股間をおさえてみせる。

「えー、大丈夫? 痛いの?」

「いたーい。アソコが痛くて、歩けないなー。うーん。痛いよー。ねえ、アンタのタマタマとアタシのアソコ、交換しなーい?」

女の子はうずくまるハヤトの顔を覗き込んで、言った。
ハヤトは細い息を吐き出しながら痛みに震えるだけで、何も答える事が出来ない。
そんなハヤトを見て、女の子たちはさらに大爆笑した。

「アッハハハハ! マジで? マジでタマタマと交換しちゃう?」

「ウソウソ。するわけないじゃん。タマタマなんて超不便じゃん。いらなーい。アハハハハ! じゃあねー。また、タマタマ蹴らしてね」

「お大事にー」

女の子たちは笑いながら、階段を下りていった。
ハヤトはしばらくの間、涙をこらえて踊り場にうずくまっていた。


終わり。




木村ハルカは、教育実習生として一か月間、母校の中学に行くことになった。
専門は数学で、教師になることを夢見ていたハルカは、希望に胸を膨らませながら学校を訪れ、すでに2週間、過不足なく実習を続けることができていた。

一つ問題があるとすれば、ハルカは3年のクラスを担当していたのだが、男子生徒の中に何人かの問題児がいて、ときに授業をサボったり、学校に来なかったりしていたことだった。彼らは不良というほど荒っぽくはなかったが、金髪にしたり、制服を着崩したりして、明らかに他の生徒とは毛色が違っていた。

しかしその問題はもちろん、実習生のハルカがどうにかしなければいけないものではない。心残りはあったが、ハルカは当面、自分の課題に集中することにしていた。

「さようなら。気を付けてね」

放課後、日も傾きかけたころにハルカのクラスのホームルームが終わった。しかしハルカの仕事は、むしろこれからであった。

自分が今日行った授業の反省、見学した授業のレポート、明日の授業の準備、担任の先生から任されている、生徒との交流日誌のチェック。
それらを毎日こなしながら、実習全体のレポートの準備も進めていかなくてはいけない。まさに休む暇もなく、ハルカはいつも夜遅くまで学校に残り、作業をしていた。

「あ、もうこんな時間か。そろそろ帰らないとな」

この日もいつの間にか、時計は9時を回っていた。
ハルカは実家から自転車で通っているので、つい時間を忘れて作業に没頭してしまう。
すでに職員室に人影はなく、学校にも恐らく誰も残っていないだろう。
しかし、それもいつものことだったので、ハルカは心地よい疲れを感じながら、ゆっくりと帰る準備を始めたのだった。

「よし、と」

預かっている鍵で職員室のドアを閉めると、ハルカは玄関に向かって歩き出した。
やはり学校には誰も残っていないようで、窓から入る月明かりと非常口を示す緑色のライトだけが、足元を照らしていた。

「え!」

廊下を歩いていると、不意に誰もいないはずの教室から手が伸びて、ハルカの腕を掴んだ。
ハルカは突然のことにパニックになってしまうが、謎の手は容赦なく、ハルカを教室に引きずり込もうとする。一体、誰がこんなことをするのか、教室の中は暗くて、ハルカの目にはよく見えない。

「ちょっと、やめて!」

必死に抵抗するが、ハルカは徐々に教室に引き込まれそうになっていった。
すると今度は背後から、覆いかぶさるように抱きつく者が現れた。

「きゃあ!」

ハルカは更なる恐怖に、ますますパニックになってしまった。
後ろから抱きついた者はハルカを羽交い絞めにしようとし、なおかつハルカのシャツの下にある豊満な胸を、揉みし抱くような動きを見せた。

しかしこれが逆に、ハルカの意識を現実に引き戻すこととなった。
ハルカは小柄で、比較的大きな胸以外は華奢な体つきをしていたが、実は大学では空手部に所属し、その流派で段もとっているほどの実力者だった。
おとなしめでコケティッシュな顔立ちをしていたハルカは、中学・高校の時代からよく痴漢に会い、なおかつそれを得意の空手で、ことごとく撃退してきたのである。

今、突然得体のしれないものに襲われた恐怖でパニックになってしまっていたが、胸を触ってくる痴漢となれば、反撃するのに躊躇などない。

「この!」

ハルカはまず、掴まれている右腕はそのままに、後ろで羽交い絞めにしている男の金的を、踵で蹴りあげた。
背後のことなので、慣れているハルカといえども蹴りは浅い。しかし、男の羽交い絞めを解くには十分な打撃だった。

「アンタも、痴漢の仲間でしょ!」

ハルカは気合とともに掴まれた右腕を引きつけると、教室の中から、人影が引きずり出された。
ハルカは容赦なく、その男の金的に得意の前蹴りを入れる。

バシン!

乾いた音がして、男の金玉はハルカの足に押しつぶされた。
ぐえっと、うめき声をあげて、男はハルカの右手を放し、前のめりに倒れる。

「アンタもよ!」

間髪いれず、ハルカは振り向いて、先ほどまで自分を羽交い絞めにしていた男の肩を掴み、股間をおさえる男の両手の上から、強烈なひざ蹴りを叩き込んだ。
こちらも短いうめき声をあげて、倒れこんでしまった。

「ふう」

痴漢二人を無力化したとみると、ハルカは一息ついて、一歩下がった。
金玉を蹴られ、男の痛みに脂汗を流して苦しんでいる連中を改めて見下ろすと、なんとその連中は、この中学の制服を着た、男子生徒たちだった。

「え? アナタたち、何なの?」

ハルカは驚いて、廊下を這いつくばる生徒たちの顔を覗きこむと、それはハルカのクラスにいる問題児グループの二人だった。




「どうしてこんなことをしたの? どういうつもりなの?」

ハルカの中で驚きと怒りが入り混じり、思考の整理がつかなかった。
そのせいで、背後に潜むもう一つの人影に気がつくのも、一瞬、遅れてしまう。

「あ!」

背後からの人影は、ハルカの背中に、強烈なタックルを浴びせた。
ハルカは油断していたこともあり、受け身を取ることもできず、廊下に叩きつけられてしまう。
かろうじて仰向けになって起きあがろうとするが、そこにさらに馬乗りになったのは、クラスで一番の問題児、矢島ケンジだった。

「先生、すげえなあ。あっという間に二人を倒しちまった」

「アナタ、矢島くん…?」

自分の腹の上に馬乗りになった生徒の顔を、ハルカは下から見上げた。
この2週間の間に数回しか矢島の顔を見たことがなかったが、その特徴的な金髪の頭は、印象に残っていた。
先ほどハルカが金的蹴りで仕留めた2人も、いわば矢島の取り巻きで、3人はいつも連れだって、何かと問題を起こしている。

「アナタ、何をしてるか、わかってるの!」

ハルカはすぐにでも立ちあがって反撃したかったが、先ほど廊下に叩きつけられた衝撃で体全体が痛み、まだ呼吸もまともにできなかった。

「へへっ。先生が悪いんだよ。そーんなエロい体してっからさあ。ケツのラインがたまんねえよなあ。胸だって、こんなにデカイしよ」

ハルカは苦しみながらも、生徒が自分の体をそんな目で見ていたことに大きなショックを受けた。
自分が授業を教えている、子供だと思っていた中学生の口から、こんなむき出しの性欲の告白を聞くとは、思ってもみなかったのだ。
同時に、矢島の右手に大きなカッターナイフが握られているのを発見して、血の気が引いた。
今から、この生徒は何をしようというのか。体の痛みは徐々に回復してきたが、しばらく大人しくするのが賢明だと、ハルカは悟った。
そんなハルカの視線に、矢島は気がついた。

「あ、そうそう。俺、こんなもん持ってるからさあ。あんまり、さっきみたいに暴れない方がいいよ。俺、キレるとなにするかわかんねえからさ」

中学生らしい陳腐な脅し文句だが、今はそれが逆に恐怖だった。
ハルカは目だけは矢島をしっかりと睨んだまま、恭順の態度を示す。
やがて必ずくる反撃のチャンスを生かすために、今はじっとしておくことを選んだのだ。

「近くで見ると、やっぱりすげえオッパイだな。フオォ!」

矢島は突然、ハルカの胸の谷間に顔をうずめて、奇声を上げた。
ハルカは驚いたが、あまりの恥ずかしさに声も出ない。
矢島はさらに顔を上げると、激しくハルカの胸を揉み始め、ハルカのシャツははだけて、ブラジャーが見えてしまう。

「柔らけえ。やっぱり、中学のガキとは違うなあ。先生、俺、たまんねえよ」

ひとしきりハルカの胸の感触を確かめると、矢島はハルカのシャツのボタンを、無理やり引きちぎった。
シャツの下から、白い肌と青いブラジャーに包まれた柔らかそうな乳房が現れる。
矢島の股間が激しく膨張していく様子が、下敷きになっているハルカの腹部にも伝わった。

「うおお! すげえ! 先生、やっぱりエロいなあ。こんなオッパイして授業されたんじゃ、男子のチンポはみんなビンビンになっちまうぜ」

屈辱的な言葉をかけられて、ハルカの怒りはいまや頂点に達していた。
イチかバチか、反撃に出ようとした。
その時、

「おい、田中! 中島! お前ら、まだ痛えのかよ。こっちこいよ。ビデオ撮ってくれ」

矢島は興奮しすぎて、油断した。
背後でまだ苦しんでいる仲間二人に、声をかけたのだ。
二人はそろそろ金的の痛みもおさまってきたところで、ぜひともハルカの胸を拝みたいと思い、ようやく立ち上がろうとした、そのときだった。

「うああ!」

矢島が急に、叫び声をあげた。

「は、放せ! 放せよ!」

馬乗りになった矢島の金玉を、ハルカが握りしめたのだ。
もちろんカッターナイフを持つ矢島の右手をも、ハルカはしっかりと掴んで動かないようにしている。

「放すわけないでしょ、このエロガキ!」

ハルカは空手で鍛えた握力をフルに発揮して、矢島の金玉を二つとも、しっかりと掌の中に握りしめている。
勃起していた矢島のペニスはあっという間に縮みあがり、やがて右手に持っていたカッターナイフも、力なく廊下に落としてしまった。

「は…は…放して…」

矢島は金玉を握るハルカの右手首を両手でつかむが、力が入らず、どうにもできない。
ハルカは手を緩めることなく、さらに矢島の二つの金玉を、ゴリゴリとすり合わせるように手の中で転がしていた。

「あひい!」

金玉をこすり合わせるたびに、矢島は情けない叫び声を上げる。
ハルカは完全に力の抜けた矢島の体を押しのけて、立ちあがった。
もちろん、金玉を握る手は放さないから、矢島はひざをガクガク震わせながら立っているしかなかった。




「アンタね、自分が何したか、分かってるの? これは立派な犯罪よ。イタズラじゃすまないのよ」

「は、はいぃ…」

「ホントに分かってるの!」

矢島は痛みで返事をするどころではないのだが、そんな矢島の態度にハルカは苛立ち、つい、金玉を握る手に力を込めてしまった。

「あうぅ!」

矢島は情けない声をあげる。
そんな矢島の姿とハルカの迫力に押されて、田中と中島は、まったく動けなかった。

「ここが痛いんでしょ? 放してほしいの?」

ハルカは矢島の金玉を、コロコロと転がしてみせる。
すでに相当な圧迫を受けて痛めつけられた矢島の金玉には、軽く触るだけでも激痛が走る。
ましてこんな風に手の中で転がされると、下半身から力が抜けて、呼吸さえ思うようにならなくなってくるのだ。

「はい。はい!」

矢島はかすれるような声で、必死にうなずいた。
いつの間にか、矢島はハルカの肩にしがみつくように寄りかかっていた。すでに矢島の足に力は入らず、しがみついていなければ、ひざから崩れ落ちてしまう。そうなれば、捻りあげられている金玉で自分の体重を支えなければいけなくなるだろう。
まだハルカのシャツは破けたままで、ブラジャーからこぼれ落ちそうな乳房が目の前に迫っているのだが、そんなものを眺めている余裕など、まったくなかった。

「そうね。ま、いいでしょう」

ハルカは意外にも、すんなりと矢島の金玉から手を放した。
しかし、矢島が痛みから解放されたのは、ほんの一瞬のことだった。

ドスッ!!

と、ハルカの強烈なひざ蹴りが、矢島の股間に突き刺さったのである。

「これでしっかり反省しなさい!」

「うええ!」

矢島はこみ上げてくる強烈な痛みに、背筋に寒いものすら感じた。
汗が一瞬にして冷たくなり、下腹の方から、吐き気と痛みが同時に押し寄せてくる。もはや立っていることなど不可能で、矢島は股間をおさえて海老のように背中を丸め、激しく痙攣ながら、廊下をゴロゴロと転がり続けた。
えづくように嗚咽しながら、胃液の混じった吐しゃ物を撒き散らしている。

そんな矢島の姿に、田中と中島は、今まで続いていた先ほどの金的蹴りの痛みも忘れるほどの恐怖を感じた。

「あらら。キレイに入っちゃったかな。痛そうね」

ハルカは暴れる矢島の姿を見ながら、落ち着いた様子で衣服を直し、先ほど矢島が落としたカッターナイフを拾い上げた。

「アナタ達!」

ハルカはまだ座り込んでいる田中と中島に厳しい調子で声をかけた。

「どういうことなのか、説明しなさい」

「あ…あの、矢島が…誘ってきたんです。先生を…その…」

「襲ってやろうって?」

「は、はい」

田中はハルカの迫力に押され、ためらいながらもうなずいた。

「矢島が、最初に言ったんです! 俺たちは…ただ、ついてきただけで…」

中島は必死に弁解する。
ハルカはそれを聞いて、無言で中島の方を睨んだ。

「…アナタ、中島君だっけ?」

「は、はい」

「ちょっと、背筋を伸ばして、ちゃんとしなさい」

「はい」

中島は何のことか分からなかったが、ハルカに逆らうことへの恐怖を感じ、まだ金玉に痛みは残っていたが、それをこらえて、正座したまま背筋を伸ばした。
ハルカは中島の前に立ち、厳しい表情で見下ろしている。

ドスッ!!

突然、ハルカは座ったままの中島の股間に、つま先をめり込ませた。

「ぐえ!」

「人のせいにしないの! アンタも私の胸を触ったでしょ! 男なら、自分の罪を認めなさい!」

「は、はいぃ」

中島は再び、股間をおさえて丸くなった。

「アナタもよ! 三人同罪なの。ちゃんと分かってるの!」

ハルカは田中の方を睨みつけて言った。
田中は電撃に打たれたように、激しく反応して、うなずいた。

「はい! はい!」

「そう。じゃあ、アナタも立って。もうちょっとお仕置きをしないといけないから」

田中の顔から、一気に血の気が引いていった。




「さあ、早く! 三人同罪なんだから、三人とも同じくらい痛くしないと、不公平でしょ」

恐ろしいことを口走るハルカに、田中はむしろ呆気にとられてしまった。

田中の隣には、先ほどのひざ蹴りで、もはや意識も朦朧としている矢島が、真っ白な顔をして金魚のように口をパクパクとさせている。
それがどれほどの痛みだったのか、想像したくもなかった。まして、その痛みを絶対に理解することのないハルカが、自分にもそれを与えようとしていることなど、認めたくない。

田中の目から、涙がポロポロとこぼれ落ちた。

「すいませんでした。許して下さい。もうやめてください」

田中は額を廊下にこすりつけて、懇願した。

「…反省してるの?」

「はい! 反省してます。してますから…」

「そう。それでいいのよ」

ハルカの言葉が聞こえると、田中はハッとした表情で、顔を上げた。

「じゃあ、ちょっと手伝って。この子を起こしてあげて」

ハルカは先ほどの蹴りの痛みに震えている中島を指差した。

「え?」

「この子を起こしてあげてってば! 立たせるのよ」

「は、はい!」

田中はわけも分からず、急いで立ちあがり、背中を丸める中島を無理やり引き起こした。

「そう。それで、足を開かせて。蹴りにくいから。アナタ、田中君? アナタは後ろに回りなさい」

田中はとりあえず、ハルカの言う通りに動いてみたが、一抹の不安が頭から離れない。
田中は脇を抱えて引き起こしている中島の足の間に、自分の両足を入れて、開かせた。二人が前後に重なって、ハルカの前に立つ形になる。

「うん、それでいいわ。二人とも同じように蹴るのって、難しそうだから。一気にやっちゃうわね」

田中の不安が的中した。
それを聞いた中島も、慌てて股間を手で押さえて、必死に首を振る。

「せ、先生、許してもらえるんじゃ…」

「え? アナタ、反省してるんでしょ? 反省したら、罰を受けないといけないのよ。当然でしょ」

「でも、あの…」

「もう、うるさい! アナタも手をどけなさい!」

中島はハルカの気迫に押されて、股間を守る両手をダラリと下げた。
田中ももはや諦めて、涙ぐんだ表情になっている。

「大丈夫よ。彼より痛くはしないから。たぶんね」

ハルカは重なって立つ二人の男子生徒の前で、タイトスカートの裾を自らまくり上げると、腰を落とし、右足を引いて、前蹴りの構えをとった。

「行くわよ。せいっ!」

気合のこもった掛け声とともに、ハルカは空手の有段者らしい、見事な前蹴りを二人の股間に放った。
ストッキングに包まれた細い脚は、キレイな弧を描いて、鞭のようなしなりを見せる。

バシィ!!

乾いたキレイな音がして、ハルカの足の甲は後ろの田中の金玉を跳ねあげ、すねの部分は中島の金玉にぐしゃりとめりこんだ。

「ぐがっ!」

二人は同時に、折り重なるようにして倒れた。
もう声を上げる力もなく、ピクピクと痙攣して、廊下に顔面を押し付けている。

「うん。このくらいか。どう? キレイに入ったでしょ?」

ハルカは満足そうに尋ねるが、当然、二人は返事をするどころではない。

「ん? どうなの? もう一回やっとく?」

そう言うと、田中と中島はすぐさま顔を上げて、鼻水と涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、首を横に振った。

「ウソ。冗談よ」

ハルカは無邪気そうに笑った。

「まあ、アナタ達も反省してるようだし、このことは秘密にしておいてあげる。そのかわり、明日からちゃんと授業に出るのよ。サボったりしたら、またお仕置きするからね」

そういうと、ハルカは服を整えて、玄関に向かって歩き出した。

「いつまでも寝転がってないで、早く帰りなさい。ご両親が心配するわよ。じゃあね」

矢島達三人が、その後、真面目に学校に来るようになった理由は、誰にも分からなかった。

終わり。



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