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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。

中学一年生の小林ヒロトがこの学校に転校してきたのは、親の仕事の都合によるもので、ヒロトにとっては小学校時代から数えて四回目の転校で、特に珍しいことではなくなっていた。
ヒロトは中学生にしては背が小さく、色白で華奢な体つきをした、一見してひ弱そうな男の子だった。
最近は少なくなったが、もっと小さい頃は、女の子に間違われることもあった。本人もそれを気にして、日頃から男らしくしようと心がけているつもりだったのだが、転校の多い学校生活では、一つの部活動に打ち込むようなこともできず、ヒロトは相変わらず、か弱い中性的な印象を与える男の子だった。

「ヒロト君、一緒に帰ろう」

転校から三日目。ホームルームが終わった後のヒロトに声をかけてきたのは、学級委員の広野ユウマだった。
ユウマは明るくて快活な少年で、学級委員らしい、どこか大人びた落ち着きを持っていた。ヒロトの転校初日から真っ先に声をかけてきてくれたのは、ユウマである。
それが学級委員の責任感からくるものだとしても、ヒロトには純粋にありがたかった。

「うん。帰ろう」

ヒロトとユウマは、靴箱のある玄関にいたるまでの渡り廊下を、話しながら歩いた。

「ヒロト君、学校にはもう慣れた?」

「うん…。まだかな。でも、楽しいよ。みんな、声をかけてくれるし」

「そっか。でも、ウチのクラスの人たちは大人しいから、もっとヒロト君から声をかけてくれてもいいかもよ」

「うん。そうする」

他愛のない会話をしていると、背後から声をかけてくる者がいた。

「ユウマ君」

ユウマはその声に、ハッとして振り向いた。
ヒロトもつられて振り向くと、そこには襟に三年生のバッジを着けた、女子生徒が立っていた。

「と、東条さん。こんにちは」

ユウマは突然、全身を強張らせて、この女子生徒にあいさつした。

「こんにちは。今、帰りなの?」

「は、はい。そうです」

ユウマはやはり、極度に緊張している様子だった。
東条アカネは、モデルのような長身とグラマーなスタイルを持った美しい女子生徒だった。大きな瞳は少し茶色がかり、ハーフのような雰囲気で、スッと通った鼻筋もまた、日本人離れしている。艶のある唇は常に微笑を絶やさず、しゃべるたびに白い歯が輝いて見えた。長い黒髪には美しくウェーブがかかり、彼女の小さな顔を縁取るようにして、胸まで伸びている。
その胸は、制服の上からでも分かるほど豊満なもので、およそ中学生のものとは思えなかった。
ヒロトは今までにこれほど美しい女性を見たことがなかったので、つい見とれてしまった。

「そう。今日はこれから、2年生の男の子たちと遊ぶの。お天気も良さそうだしね。フフッ」

アカネはユウマの強張った顔を見て、笑いかけた。
そして隣にいたヒロトに気がつくと、ヒロトにもまた、にこやかにほほ笑んで見せた。

「あなたは…初めてお会いするかしら。ユウマ君のお友達?」

「は、はい。一昨日、転校してきました。小林ヒロトです。は、初めまして…」

ヒロトは急に話しかけられて動揺し、早口に叫んでしまった。
アカネが近くに寄ってきただけで、いい香りが辺りに広がり、なんとなくうっとりとした気分になってしまう。
アカネはそんなヒロトの様子に、歯を見せて笑った。

「そう。初めまして、ヒロト君。私は三年の東条アカネといいます。よろしくね」

アカネは軽く会釈をし、ヒロトもまた、慌てて会釈を返した。
ヒロトが顔を上げたちょうど目の前に、アカネのバストが揺れており、ヒロトは驚きながらも、不器用な様子でそれに見入ってしまっていた。
アカネはそんなヒロトの視線に気づいているのかどうか、微笑は絶やさなかった。

「ユウマ君。今日は約束があるんだけど、明日、私に付き合ってくれないかしら? また、ユウマ君と一緒に調べたいことがあるの」

ユウマはそう言われると、ヒロトの目にも分かるくらい動揺して、顔を強張らせた。

「あ、あの…」

「お願い、ユウマ君」

アカネはユウマの手を握って、懇願するような目で見る。
ユウマはそんなアカネを見て、やがて諦めたように目を伏せた。

「はい…。わかりました」

「やったぁ。助かるわ、ユウマ君」

アカネは大げさに両手を振って喜んだ。大きな胸が魅惑的に揺れたのを、ヒロトは不躾に見つめてしまったが、ユウマはそんなことは気にならないように、目を伏せたままだった。

「じゃあ、明日の放課後、屋上でね。あ、それと、転校生のヒロト君? あなたもよければ、来ない?」

え? と、ヒロトとユウマは同時にアカネを見た。
しかしその表情は、明らかに対照的だった。

「あ、はい! なにするんですか?」

ヒロトはアカネのような美しい先輩に声をかけられたことが、単純にうれしかった。先ほどからのユウマの緊張した態度は気になるが、アカネに気に入られるチャンスを、逃したくなかった。

「簡単な調べものよ。私の個人的なことなんだけど。ユウマ君と一緒に、お手伝いをお願いしてもいいかしら?」

「は、はい。喜んで!」

ヒロトは二つ返事で了承した。
それを悲しそうな目で見つめる、ユウマの視線にも気づかずに。

「じゃあ、二人とも、また明日ね。さようなら」

アカネは手を振って、去って行った。
その後姿に、ヒロトはしばらく見とれてしまっていた。
その後、帰り道でユウマはアカネのことをまったく口にせず、ヒロトに何を聞かれても、「明日、分かるよ」と言うのみだった。


翌日の放課後。ユウマはホームルームのときからすでに緊張し、沈んだ顔で時計の針が回るのをチラリチラリと見ていた。逆にヒロトは、時間が過ぎるのをひそかに楽しみにしている様子だった。

「ユウマ君、屋上に行かないの?」

クラスメイトが大方帰ってしまった後、いつまでも腰を上げようとしないユウマに、ヒロトはたまりかねて尋ねた。

「う、うん。行くよ。行かないと」

ユウマはヒロトに言われて、意を決したように立ち上がり、鞄を持って、教室を出た。
ヒロトはユウマの後に続いて、廊下を歩いていく。
やはり、ユウマの様子はかなりおかしかった。
あんなキレイな先輩と何か共同作業ができるのだから、もっとテンションが上がっても良さそうなものだと、ヒロトは疑問に思いながら、ユウマの後をついていった。
屋上に上がる階段の前で、ユウマは突然立ち止まり、振り返った。

「や、やっぱり、ヒロト君は帰った方がいいよ。東条さんには、僕からうまく言っとくから。帰った方がいい」

いつものユウマらしくない、落ち着きのない態度だった。
顔からは血の気が引いていて、よほど勇気を振り絞って発言しているように見えるが、ヒロトにはなんのことか、さっぱり分からなかった。

「え? なんで? ユウマ君、東条さんと、何するの?」
 
「それは…言えないんだ。言ったら、大変なことになるから…。でも、ヒロト君は早退したって言っとくから。じゃあね。帰った方がいいよ。来たらダメだ」

ユウマはそう言って、ヒロトの静止を振り切り、階段を登って行った。
ガシャン、という音がして、屋上の扉がしまったのが分かった。
ヒロトは一人取り残され、わけもわからぬまま、立ち尽くしていた。
一体、ユウマとアカネは、屋上で何をしているというのか。
ヒロトは今年の初めに精通がきたばかりで、性やセックスについての知識はほとんど持っていなかったが、何回か不器用な自慰行為もして、女の子に対する興味はそれなりに持っている。学校で初めて出会った、東条アカネという魅力的すぎる女性に、心惹かれないはずはなかった。
ユウマとアカネは、何かよく分からないけど、男と女がやる、キスとかそういったことをしているのではないか。そして、自分もそこに誘われたのは、どういうことなのか。
そう考え始めると、ヒロトの乏しい知識では事態を想像することもできず、やはりこの目で確かめたいという思いが強くなった。
ヒロトはユウマの忠告を無視して、ユウマが駆け上がったおよそ5分後、ゆっくりと屋上の扉を開けたのだった。



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「あら。ヒロト君」

扉を開けると、そこには東条アカネと5,6人の女子が立っていた。先ほど屋上に上がったユウマが、女子たちに取り囲まれるようにして、地面に座り込んでいる。

「いらっしゃい。来てくれると思ってたわ」

アカネは優しい笑顔を、ヒロトに向けた。
ヒロトはその笑顔に心を奪われる思いがしたが、その後ろでユウマがしゃがみこんで、どうやら何か苦しんでいるらしいのが気になった。

「ユウマ君…?」

ヒロトは扉を閉めて、ユウマに近づいて行こうとした。

「あ、ユウマ君はちょっと待ってあげて。あと3分はしゃべることも苦しいのよ。かわいそうだわ」

「え?」

アカネの言うとおり、よく見ると、ユウマは下腹のあたりをおさえて、呼吸を荒くしているようだった。
ヒロトが来たことに気がつくと、残念そうな顔をしてうつむいてしまった。

「大丈夫、ヒロト君。早退したそうだけど。どこか悪いの?」

「え? いや…はい。もう大丈夫です。あの、ユウマ君はなにを…」

「そう。良かった。じゃあ、私の調べものに付き合ってもらえるわね?」

「あ、はい」

ヒロトは何か不穏な空気を感じ取って、口ごもった。
苦しむユウマ。微笑を絶やさないアカネ。アカネの周りで、無表情に押し黙ったまま、じっとヒロトを観察している上級生の女子たち。
なにかヒロトの想像を超えたことが、ここで行われているらしかった。

「じゃあ、これからヒロト君の金玉をひねり潰すわね」

アカネは微笑みながら言った。
思わず、ヒロトは聞き返す。

「え?」

「あ、心配しないで。ひねり潰すっていうのは、言い方のひとつよ。実際には、ヒロト君の金玉を潰したりはしないわ。ただ、痛めつけるだけ。何か疑問があるかもしれないけど、それは実験を進めながら、解決していきましょう。だって今日は、二人も協力者がいるんだもの。急がないと、日が暮れてしまうわ」

ヒロトは呆気にとられて、言葉が出なかった。
アカネの口から金玉という言葉が何気なく出たのも意外だったし、その後に言われたことも、ヒロトには急に理解できるものではなかった。

「まずは、ヒロト君の金玉をひざ蹴りするわね。いい? ひざ蹴り、されたことないでしょう?」

「え、あ、はい。ないです…」

ヒロトは戸惑いながらも答えた。
というより、ヒロトは金玉を蹴られた経験など、一回もなかった。スポーツなどもほとんどしてこなかったので、何かで打ちつけてしまったというようなこともない。金玉の痛みに関しては、奇跡的に無垢な状態だったのだ。

「そうよね。たぶんヒロト君は、金玉を蹴られたこともないと思うわ。いいの。最初はみんなそうよ」

アカネはおもむろにヒロトの両肩に手を置いて、距離を縮めた。
昨日も感じたアカネの香水の匂いと、その豊満な胸を鼻先の距離に感じて、ヒロトは先ほどまでの疑問も忘れて興奮してしまった。

「あのね、よく聞いて。金玉を蹴られると、男の子はすごく痛いの。なぜなら金玉は内臓で、内臓を直接蹴られるってことは、すごく痛いことだと思わない? それなのよ」

アカネはゆっくりと、子供に諭すようにヒロトに説明を始めた。

「その痛みはね、最初はしびれるようにヒロト君の金玉を突き抜けて、そのちょっと後で、重苦しい痛みがお腹全体に広がり始めるの。男の子はその時には、みんな金玉をおさえて、ひざをついて丸くなっちゃうのよ。ヒロト君もそうなるわ。そして、しばらくは息もできないほど苦しくて、泣きたくなるの。当たり所が良ければ、吐き気を催すこともあるから、そのときは遠慮なく吐いてね。わかった?」

ヒロトはわけが分からなかったが、とりあえずうなずいた。

「そう。じゃあ、始めましょうか」

言うと同時に、アカネは右ひざを跳ね上げて、深々とヒロトの股間に突き刺した。
それは強烈なひざ蹴りで、小柄なヒロトの体は一瞬、宙に浮いてしまった。

「うっ!」

その瞬間、ヒロトは目の前の景色がズレたことに気がついたが、何が起こったのか分からなかった。
足の間に突然、異物感を感じ、それがアカネの白い太ももだと気がついたが、その時でもまだ、微笑みを浮かべるアカネの美しい顔を眺め続けることができた。
しかし次の瞬間、激しい痛みが股間から下腹部へ、さらに体全体に突き抜けるのを感じ、反射的に股間を両手でおさえてしまった。

「え…あ…!!」

金玉を蹴られるという、人生で初めての出来事だったが、ヒロトの男の本能が、すぐそこまで来ている危険を察知した。
ヒロトの不安げな表情に、アカネは満足そうな笑みを浮かべる。
じわりと重苦しい波が一つ、金玉から放たれたと思うと、それはとてつもない大津波となり、ヒロトの体全体に広がっていった。

「うあ…あぁっ!」

ひざから力が抜けて、前のめりに倒れこんでしまった。
今まで経験したことのない痛み。二つの小さな玉から発せられる痛みの波は、下腹をねじるように掻き回し、胃を突き上げ、喉にいたって呼吸をも止めた。
ヒロトはアカネの言った通りに、ひざをつき背中を丸めて、涙を流して屋上のコンクリートに這いつくばってしまった。

「やっぱりね。初めてでも分かるんだわ。痛みが来るのが。男の本能みたいなものかしら。不思議ね」

アカネは満足そうに苦しむヒロトを見下ろして、自分の観察の結果を述べた。
その背後で、女子生徒が一人、せわしなくメモを取っている。どうやら、アカネの言葉を記録しているようだった。

「あ…ぐう…」

ヒロトはアカネの言葉を聞いても、ますます何のことかわからなくなった。
とりあえず、なぜ自分はこんな苦しみを受けなくてはならないのか。ユウマの忠告を無視して屋上に来てしまったことを、心から後悔した。

「ヒロト君、聞いて。あなたは今、金玉を蹴られたの。初めてだから、そうね、あと10分は起き上がることもできないわ。でも、男の子はみんなそうなのよ。安心して」

アカネは優しく話しかけたが、言っていることはヒロトにはまったく意味不明だった。

「あなたは不思議に思ってるでしょう。私がなんでこんなことをするのかって。フフ。ヒロト君、転校生のあなたに説明してあげる。私はこの学校を支配しているの。女子も男子も、生徒は全員、私の言うことは何でも聞くのよ。聞かなければいけないの」

アカネは突然、とんでもないことをごく普通の調子で語り始めた。

「つまり、私は学校の番長っていうのかしら。古い言い方だけど、分かりやすいと思うわ。私の言うことを聞かない子がいると、こうやって呼び出して、今のヒロト君みたいな目に合わせているのよ。でも、怖がる必要はないの」

ヒロトはひざまずいたまま、上目づかいでアカネの顔を覗き込んだ。
相変わらず、アカネの顔からは笑顔が消えていない。

「私は見ての通り、容姿端麗だし、勉強の成績も全国トップクラス、スポーツも万能なのよ。つまり、私にはこの学校を支配する資格があって当然だし、あなたたちは私を恐れつつ、目標にして学校生活を送っていくべきなのよ。でもそんな私でも、すぐには理解できないことがあるの。それが、男の子の体の仕組みよ」

ヒロトはようやく、呼吸を取り戻し始めた。
喉の奥から湧き出てくる苦しみを吐きだすかのように、激しく咳き込む。
そんなヒロトの姿を、アカネは冷静に観察していた。

「もちろん、解剖学上の知識は十分持ってるわ。でもそれだけじゃ、実際に男の子がどんな感覚で生活しているのか、分からないでしょ。私はそこに、すごく興味をそそられるのよ。例えばほら」

アカネはおもむろに、自分の制服のスカート裾をつかむと、チラリとめくって見せた。
ヒロトの目に、黒いレースの下着の端が飛び込んできて、つい凝視してしまう。

「男の子って、こんなときでもエッチなことには必ず目が行くでしょ。そういうことを、実際にデータとして調べてみたいのよ。今、ヒロト君を蹴ったのは、そのデータ収集の一つ。男の子が初めて金玉を蹴られる時って、どんな反応をするのか、すごく興味深かったわ。ありがとう」

アカネは満面の笑みで、微笑んだ。
ヒロトは話を聞いて、だいたいは理解できたが、なにか意見を考えられるほどに頭は回復していない。とにかく今は、金玉の痛みに耐えることだけで精いっぱいだった。

「あ、いいのよ、ヒロト君。今はしゃべれる状態じゃないでしょ? 分かってるわ。今まで何百回も金玉を蹴ってきたから、感触でだいたいのダメージは分かるつもり。ゆっくり休んでて」

アカネはそう言うと、今度はユウマの方に歩み寄った。

「さあ、ユウマ君。もう、ある程度ダメージは回復したはずね? でもまだ、立てはしないはずだわ」

「あ…は、はい」

ユウマは確かに先ほどよりも回復した様子だったが、まだ下腹をおさえて、しゃがみこんでいた。

「そうでしょうね。ところでユウマ君。あなた、私にウソをついたわね。ヒロト君は早退した。今日は来られないって」

ユウマは動揺した様子で目を伏せた。
それを聞いたヒロトは、痛みの中で、ユウマが自分に忠告してくれた真意をようやく理解した。そして自分がそれを無視したせいで、今はユウマに危険が迫っていることも直感した。

「あ、でもいいのよ。あなたが言ったことがウソだってことは、私は最初から分かってたわ。ユウマ君は優しい子だもの。ヒロト君を助けたかったのよね。同じ金玉を持つ男同士の友情、素敵だわ」

アカネは心底感心したようにユウマにほほ笑んだ。

「でもね、ユウマ君。理由はどうあれ、私に反抗したということは見逃せないの。これを見逃したら、ユウマ君が他の子たちからも恨まれてしまうことになるわ。私に従う者は、誰であれ、平等よ。私はみんなを平等に愛して、平等に罰を与える。分かるわね?」

ヒロトにはアカネの言っている理屈はさっぱり理解できなかったが、周囲にいる女子生徒たちは、無言ながら目でうなずいているようだった。
ユウマもまた、アカネの言葉に反論する様子を見せない。

「だから今日は、ユウマ君の金玉を潰します。これは、言葉どおりの意味よ」

ここにいたって、ユウマはさすがにハッとして顔を上げた。
そんなユウマを、アカネは微笑みを絶やさずに見つめる。




「あ、そんな顔しないで、ユウマ君。私も悲しいのよ。あなたは今まで、私のデータ収集にずいぶん協力してくれたんだもの。いつも礼儀正しく私に接していたし、私はあなたに対して不快に思ったことなんか、一度もないのよ。それを思うと、とても心が痛むわ」

アカネは演技かどうか、少なくともヒロトとユウマの目には、心底悲しそうな表情をしているように見えた。

「だから、考えたの。ユウマ君の金玉を潰すのは、一個だけにしてあげる。それならユウマ君も男の子のままでいられるし、また私のデータ収集にも協力できるでしょう。私も、金玉が一個しかない男の子を蹴ったことはないから、興味深いわ。ね、そうしましょう、ユウマ君」

アカネは満面の笑みで、ユウマに語りかけた。その美しい大きな瞳は、いつものようにキラキラと輝いて、自分の言動に何の疑いも持っていないようだった。
ユウマは何も言うことができず、ただアカネの顔を見て、呆然と座っていた。
ヒロトは今さらながら、自分が足を踏み入れた世界の恐怖を感じ、自分を助けようとしてくれたユウマの気遣いを無にした愚かさを悟った。

「じゃあ、始めましょうか。そろそろ、立てるでしょ、ユウマ君。データによれば、ユウマ君が私の30%の金玉蹴りを受けて立ちあがれるまでの時間の平均は、7分23秒。間違いないかしら?」

アカネは背後にいた女子生徒に尋ねた。

「はい。その通りです」

その女子はどうやら、データを管理している係らしく、先ほどから分厚い手帳にひっきりなしに書き込みをしている。
その手帳は、いわばアカネの男の子たちへの拷問記録ともいうべきもので、今までにアカネが行った「実験」のあらゆるデータが記録されているようだった。
そしてアカネも、その大部分を頭の中に記憶しているらしい。

「私がユウマ君の金玉を蹴ったのは、だいたい6分前ね。あの感触からすれば、いつもよりダメージは浅いはずよ。ユウマ君の金玉は、ちょっと逃げたもの。私の蹴りのタイミングを、ユウマ君が覚えてしまったのかしら。ユウマ君も成長してるのね。フフフ」

アカネは楽しそうに笑う。
ユウマは無言でうつむいていたが、やがて周囲をうかがうように見渡し、屋上にある唯一の出入り口に目を向けた。
このままここにいては、確実に自分の金玉は潰されてしまう。一個でも二個でも、気絶するほどの痛みに変わりはない。もう、この場から逃げ出すしかなかった。
ユウマは入学してすぐに学級委員になったが、そのせいで生徒会長を務めるアカネに目を付けられ、今まで何度となくアカネの「実験」に付き合わされ、痛い思いをしてきた。
先生や親に訴えたかったが、そんなことをすれば、学校の生徒全員から陰湿ないやがらせを受ける事になるということを、ユウマはすぐに思い知らされた。
アカネの支配を受けているのは、十人や二十人ではなく、本当に生徒全員なのだ。だから逆に言えば、月に一回か二回まわってくる、「自分の番」を乗り越える事が出来れば、あとは問題なく生活することができるのである。
アカネは気まぐれで、ときに痛みのない「実験」をすることもあったし、たまに他の女子生徒やアカネ自らと、性的なことをさせられることもあると聞いている。何よりアカネはあと一年で卒業なのだから、ユウマは静かに、耐えるつもりでいたのだ。
しかし今回、ユウマが転校性のヒロトをかばおうとしたせいで、アカネの不興を買ってしまったのである。ユウマはヒロトを助けようとしたこと自体は後悔していないし、自分の忠告を無視したヒロトを恨むつもりもなかった。呪うべきは、東条アカネという女子の存在で、その行動と思想はユウマなどには予測もつかないものだったのだ。
とにかく、ユウマはこの場から逃げ出すことを考えた。
逃げだせたとして、後にはヒロト一人が残されてしまうが、そこまで考えている余裕はない。自分の金玉をまもるために、ユウマは行動に出た。

「うわあぁぁ!」

ユウマは突然、叫びながら立ち上がると、アカネの横をすり抜け、屋上の出入り口に向かって走り出した。
まだ金玉に痛みは残っていたが、ここで逃げられなければもうチャンスはないという、必死の行動だった。
ヒロトは驚いたが、しかし這いつくばったまま、ひそかにユウマを応援した。
ユウマは無我夢中で走り、扉まであと数メートルのところまで来た。しかし、素早くその行く手をさえぎったのは、アカネを取り巻く上級生の女子たちだった。
女子の一人が無言のまま、走ってくるユウマの肩を両手で突き飛ばした。

「あっ!」

ユウマは行く手をさえぎられて、動揺した。回り込もうとしたが、さらに他の女子たちに三方を囲まれてしまう。
正面に立った女子が、ユウマの肩をぐっと掴んだ。
ユウマはアカネの記憶があるために、反射的に両手で股間をガードしてしまう。
しかし、肩を掴んだ女子は予想に反して、ユウマの脇腹に強烈なパンチを打ち込んだ。

「うっ!!」

ユウマは予想外の攻撃に息を詰まらせ、脇腹をおさえてよろけてしまう。
次の瞬間、いつの間にかユウマの背後に来ていたアカネが、ユウマの股間に鋭い蹴りを打ち込んだ。

バスッ!!

ユウマの制服のズボンが股の部分で上に押し上げられ、同時にユウマの踵が少し宙に浮いた。

「ぷっ!!」

完全に意識の外からの金的蹴りに、思わず息を漏らして、脇腹をおさえたまま、ストンと地面に尻もちをついてしまった。
しかし数瞬後には、いつものごとく金玉の痛みが全身にこみ上げてきて、小さなうめき声を上げながら、顔面をコンクリートにこすりつけることになった。

「くうぅう…」

「ダメよ、ユウマ君。逃げるなんて。金玉の痛みで結ばれた、男の友情はどうしたの?」

アカネは自分の方に尻を突き出して這いつくばっているユウマに向かって、言った。

「50%くらいの力で蹴ったわ。でも、今度は後ろから蹴ったから、あと20分は自力で動くこともできないはずよ。頑張ってね」

ユウマは額をコンクリートにおしつけたまま、尻を持ち上げて、両手で股間をおさえ、必死に痛みに耐えた。汗が全身からとめどなく流れ、顎を伝って地面に落ちていく。これからこの痛みに20分も耐えなければならないと思うと、いっそ殺してくれ、とユウマは思ってしまった。

「さあ、ユウマ君はしばらく置いておいて、そろそろヒロト君も元気になってきたかしら」

アカネはそう言うと、まだうずくまっているヒロトのところまで来て、しゃがみこんで顔をのぞいた。
ヒロトはユウマの逃避行が失敗に終わったことに、大きなショックを受けていて、金玉の痛みも伴い、顔色は真っ白になってしまっていた。

「フフッ。かわいいわね、ヒロト君は。昨日、初めて見たときから思ってたの。こんなかわいい顔をした男の子も、金玉を蹴られたら、他の男子みたいに痛がるのかしらって」

アカネはその白く細い指で、ヒロトの顔を優しく撫でた。

「そうしたら、やっぱりヒロト君も男なのね。ちょっと金玉を蹴られたら、情けなく倒れてしまうし、私のオッパイからは目が離せないし。男の子って、みんな一緒なのよね。昨日は、私のオッパイを想像して、オナニーしたの? フフフッ」

まったくの図星をさされて、ヒロトは痛みの中でも恥ずかしくなって、顔を背けた。昨夜は確かに、オナニーをした。それもアカネの言うとおり、目に焼き付いてしまったアカネの大きな胸の、制服の下にある姿を想像して。

「あ、恥ずかしがらないで。いいのよ、私でオナニーしても。それは、この学校のほとんどの男子がやっていることだから。年頃の男の子だものね。しょうがないわ」

恥ずかしげもなく、そう言った。
呆れるほどの自負心だったが、実際にアカネに面と向かえば、なんとなく納得してしまうものがあった。

「さあ、ヒロト君、そろそろ立てるかしら。次の実験をしたいんだけれど」

「あ、あの…許して下さい。僕、何でもしますから…」

ヒロトはやっとそれだけ、言うことができた。
アカネはそれを聞くと、きょとんとした顔でヒロトの顔を見つめた。

「あ、ヒロト君、誤解しないで。私は別に、ヒロト君に怒ってるわけじゃないのよ。ただ、私の知的好奇心のために、ヒロト君に協力してもらってるだけなんだから。それはユウマ君だって、他の男子だってそうよ。これは、単なる私の趣味なの。安心して」

安心どころか、ヒロトはますます背筋が凍る思いがした。
趣味でこんなことをしているということは、どうやらどれほど謝ったりしても、見逃してもらえるわけではないらしい。




「そうね。ヒロト君は転校してきたばかりだし、まだ一年生なんだから、何も知らないのよね。いいわ。今日は特別に、私の方からいろいろと教えてあげる。今まで私が男の子たちに協力してもらって集めた、貴重なデータよ。ちょっと、あなたたち」

アカネが合図すると、周囲にいた女子生徒たちが一斉に動き始めた。
無言のまま、ヒロトの周りを取り囲み、ヒロトの体を掴んで、制服を脱がし始める。
ヒロトは突然のことに、最初は抵抗するのも忘れてしまったが、すぐにわめきながら暴れ始めた。

パチーン!

と、屋上全体に乾いた音が響いた。
アカネが右手で、ヒロトの頬をひっぱたいたのだ。
ヒロトは何が起こったか分からず、呆然としている。

「ダメよ、ヒロト君。キミも男の子なんだから、男らしくしなさい」

アカネは毅然とした表情で言い放った。
ヒロトはもう、抵抗する気力を失ってしまった。
自分は常日頃から男らしくありたいと思ってはいるが、今、ここで堂々と金玉を痛めつけられることが、果たして男らしいことなのかどうか。男なら、金玉を守るのが当然ではないだろうか。そんな考えが、ヒロトの頭の中を、グルグルと回っていた。
しかし状況は残酷に進んでいく。
ヒロトはあっという間に制服を脱がされ、下着のブリーフと靴下のみの格好になり、両脇を女子に抱えられ、立たされる形になっていた。

「まあ。やっぱり、男の子はブリーフが似合うわね。私、トランクスよりブリーフの方が好きよ。特に、このもっこりした部分がかわいくてね」

アカネは恥ずかしげもなく、ヒロトの白ブリーフの前のふくらみの部分を撫でた。ヒロトは一瞬、ビクッと体を震わせたが、やがてアカネの巧みな指づかいに身をよじって反応した。

「は…ふぅ…」

ヒロトはもちろん、今まで女の子に股間を撫でられたことなどなかった。まったく未知の大きすぎる快感が、ヒロトの脳髄を満たしていった。

「あらあら。もう、こんなに興奮しちゃうの? 昨日、ちゃんと抜いたはずなのにね」

アカネは笑いながら、ヒロトの勃起したペニスをまさぐる。
なめらかで、それでいてまとわりつくようなアカネの指先の動きに、ヒロトはすぐにでも射精してしまいそうだった。

「あ…はあ…」

「でもね、ヒロト君。このレッスンは、また今度にしましょう。今日はこっちの方よ」

そう言うと、アカネはヒロトのペニスから突然手を離し、同じ指で、ヒロトの金玉を弾いた。

「う!」

とろけるような快感から一転して、いきなり金玉を攻撃されたヒロトは、一瞬、息を詰まらせてしまった。

「フフ…。痛かった? 今からじっくりと教えてあげるわ。ヒロト君も知らない、男の子の金玉の秘密をね」

ヒロトはアカネの微笑みに、再び恐怖を感じた。
アカネが合図を送ると、ヒロトの両脇を抱えていた女子たちは、ヒロトのブリーフを掴んで、一気に脱がしてしまった。
ヒロトのペニスと金玉が露わになる。ヒロトは隠したかったが、両手をおさえられ、さらに足も開かされてしまっていた。

「かわいいチンチンね。ヒロト君らしいわ」

アカネはヒロトの前にしゃがみこんだ。
アカネの顔の目の前に、自分のペニスがある恥ずかしさで、ヒロトは真っ赤になった。

「いい、ヒロト君? これがあなたのチンチンと金玉よね。この中に、睾丸っていう楕円形の玉が二つ、入っているの。ヒロト君のはまだ小さいけど、大人になれば、だいたい4㎝から5㎝くらいの大きさになるのよ」

アカネは遠慮も何もなく、ヒロトの金玉袋をつまみながら説明した。

「睾丸はね、精子を作るためにあるの。一日に作られる精子の量は、5000万から1億にもなるのよ。ヒロト君は昨日、オナニーしちゃったから、今はこの金玉の中で、一生懸命精子が作られているところね」

ヒロトはアカネの言うことなど、あまり頭に入っていなかった。
女の子に金玉をつままれて、その機能の説明を受けるなど、想像もしたことがなかったが、何か気持ちいいような、恥ずかしいような、とにかく耐えがたい気分だった。

「でもこの金玉は、いわゆる男の急所でもあるの」

アカネは再び、ヒロトの金玉を指で弾いた。
ヒロトはまた、息を詰まらせて反応する。

「ね? ちょっと指で弾いただけで、お腹に響くような痛みがくるでしょう? さっきも言ったけど、睾丸は内臓の一つなの。だから金玉を蹴られると、お腹を壊したときのような痛みが、内臓全体に響いてしまうのよ」

アカネはヒロトの反応を見て、淡々と説明を続けた。
金玉のついていないアカネが、ここまで詳しく正確に金玉の痛みを把握していることが、ヒロトには驚きであり、不気味だった。
今まで何人の男が、アカネの「実験」につき合わされ、金玉の痛みの詳細を喋らされてきたのだろう。

「でも、もっと痛い部分があるのよ。それがここ、副睾丸」

アカネはそう言うと、おもむろにヒロトの金玉袋の裏の部分を、指先でつまんでみせた。
電撃のような痛みがヒロトの金玉に走り、ヒロトは腰を引きそうになるが、支える女子たちが、それを許さない。

「ほら。痛いでしょ? ちょっとつまんでるだけなのよ。ここはね、睾丸でできた精子を溜める場所なの。でも、神経が集中してる場所でもあるから、ちょっとしたことでも、ものすごく痛いのよ。これが、男の急所中の急所というわけなの。知らなかったでしょう?」

アカネは副睾丸をつまんだまま、ヒロトの顔を見上げる。
ヒロトは口をパクパクとさせて、声を出そうとしてるが、息が詰まってしまっていた。

「ん? どうなの? ヒロト君?」

「し、知りませんでした! すいません! は、離して下さい!」

ヒロトは必死にそう叫んだ。

「あら、ごめんなさい。ちょっと強かったかしら」

アカネは笑いながら、副睾丸から手を離した。
ヒロトは息を荒げて、汗びっしょりになっている。

「フフフ。ちょっと痛かったかしら。つままれただけでこれなんだから、ここを蹴られたらと思うと、ゾッとするでしょう? さっきのユウマ君がそれなのよ」

アカネはにこやかに話すが、ヒロトは副睾丸の痛みを想像して、真っ青になった。確かに先ほどのユウマへの蹴りは、金玉の裏側を蹴りあげているように見えた。あれは少なからず、副睾丸にヒットしたに違いなかった。
アカネはそれを狙って蹴ったというのだろうか。

「見て、ユウマ君を。あっちでまだ苦しんでるでしょう?」

ヒロトがユウマを見ると、確かにまだ、先ほどと変わらぬ姿勢のまま、コンクリートの地面に額をつけて、尻を持ち上げるような形で震えていた。

「あれから少し経つのに、まだあの体勢から動けないでいるのよ。フフフ。さっき、私はユウマ君の副睾丸を擦るように蹴りあげたの。もちろん、本体の睾丸の方も、ギュッと変形するくらい、足と骨で挟み込んであげたわ。痛いでしょうね」

アカネは詳細に語ってはいるが、そのすべてがヒロトの恐怖をそそるもので、ヒロトの金玉は縮みあがってしまった。

「それでも、潰される痛みに比べれば、まだマシなはずよ。私ね、前に二回だけ、男の子の金玉を潰してしまったことがあるの。すごかったわよ。パチンッて手の中で弾けたかと思ったら、それまで暴れてたその子は、ガクッて気を失って、口から泡を吹き始めたの。足がガクガク痙攣して、赤く濁った液体がチンチンから出てきたの。あれって、金玉の中身なのかしらね。次は調べてみましょう。フフフ」

アカネは相変わらず、楽しそうに語るが、ヒロトは先ほどまでの副睾丸の痛みも吹き飛ぶほどに背筋に冷たいものを感じ、奥歯を震わせていた。

「それじゃあ、ユウマ君の金玉が潰れるところを、ヒロト君にも見てもらいましょうか。いいレッスンになるはずよ」

アカネは振り向いて、ユウマのもとに歩き出そうとした。

「あ、あの! ユウマ君を助けてあげて下さい! お願いします!」

ヒロトは恐怖に震えながら、しかし勇気を振り絞って叫んだ。
アカネはヒロトを振り向いた。その表情には、驚きが見える。

「あの…ユウマ君は、僕を助けるために、ウソをついたんです。だから…東条さんに逆らうとか、そういうのじゃなくて…。だから、お願いします! 助けてあげて下さい!」

ヒロトの弁明は稚拙なものだったかもしれないが、その声と表情は、真に迫るものがあり、それはアカネのプライドと支配欲をかえって絶妙にくすぐるものだった。

「ああ! ヒロト君、素晴らしいわ。男の友情って、感動的ね。ユウマ君を助けるためなら、自分が犠牲になってもかまわないというつもりなのね?」

アカネはしかし、ヒロトの言葉を拡大して、ほとんど自前で感動していた。

「え! いや、それは…」

アカネの口から思わぬ言葉が出たことに、ヒロトは焦った。

「ホントに優しい子ね、ヒロト君は。男らしいわ」

心底感動した様子でヒロトに近寄ると、突然、金玉を鷲掴みにした。
ヒロトはうっと呻いたが、アカネはヒロトを抱き寄せて、その顔面を自分の胸の谷間に押しつけてしまった。
ヒロトはアカネの柔らかい胸の感触を、顔面に感じた。

「見なおしたわ、ヒロト君。あなたもやっぱり、男の子だったのね。でも、もうすぐ男の子じゃなくなっちゃうかもしれないけど。フフフ」

アカネはそう言いながら、ヒロトの二つの睾丸を、恐ろしい力で圧迫し始めた。
ヒロトはアカネの胸に埋もれながら、大きな叫び声を上げる。

「うおぁ! むうぅ! つ、潰れる…」

「フフ。大丈夫。まだ、潰れないわよ。金玉はね、40キロくらいの圧力をかけると、潰れてしまうと言われているわ。でも、私の経験だと50キロくらいまで大丈夫なの。今、ヒロト君の金玉を握っている私の握力は、だいたい25キロくらい。まだまだ、この程度では潰れないわ」

そうはいっても、ヒロトの苦しみは女のアカネにはまったくわからない想像を絶するものだった。

「あう…うぅ!!」

昨日、あれだけ羨望の眼差しで見つめていた、アカネの胸に顔をうずめることができるなんて、ヒロトにとっては天国のような出来事のはずなのに、今はそれを楽しむ余裕など、微塵もなかった。

「はい。これで、30キロかしら。でも、ヒロト君の小さいタマタマじゃ、このくらいが限界かもしれないわね。これ以上やると、パチンって弾けちゃうかも」

「はい! 限界! 限界です! 助けてください! お願いします!」

ヒロトが必死に叫ぶと、アカネは微笑んで、手を離した。
合図を送り、ヒロトを掴んでいた女子にも、ヒロトを離すようにさせる。
ヒロトはようやく地獄のような苦しみから解放されると、力なく地面に倒れ込んだ。
アカネが金玉を掴んでいたのは、それほど長い時間ではなかったが、ヒロトにとっては途方もなく長い出来事に感じられた。

「フフフ。お疲れ様。今日のレッスンは、これで終わりよ。ゆっくり休んでね」

言われるまでもなく、ヒロトは痛みに震えながら、ただ横たわることしかできなかった。足元に引き下げられたままのブリーフを上げる余裕もなかった。
アカネは再びユウマの方に歩み寄り、しゃがみこんでユウマの顔を見た。
ヒロトにはもう、ユウマを助けようとする元気はなかった。



「ユウマ君、聞こえてたかしら? ヒロト君が、あなたを助けてほしいって言ってくれたのよ。男の子って、自分の金玉と引き換えにしても、友達を助けたいと思うのね。私、感動したわ」

ヒロトもユウマも、その点に関しては容認することをためらったが、あえて黙っていた。

「だから今日は、ユウマ君の金玉を潰すのをやめてあげる。でも、他の子たちには内緒よ。ひがんでしまうといけないから。守れるかしら?」

ユウマはうずくまったまま、真っ白い顔で懸命にうなずいた。

「良かったわね。ヒロト君に感謝しないと。でもその代わり、私が今日やるつもりだった実験には、最後まで付き合ってくれるわね?」

アカネはユウマの返事を待たず、再び女子たちに合図を送り、苦しむユウマを無理やり引き起こして、立たせた。
女子たちは先ほどのヒロトと同じように、素早くユウマの制服をむしり取り、全裸にしてしまう。

「あら。やっぱり、ユウマ君は立派になってたわね。これなら、大丈夫そうだわ」

アカネはユウマのペニスを観察して、言った。
ユウマのペニスはすでに半分ほど剥けていて、うっすらとした毛がそれを囲み、すでに大人と変わらぬ状態と言っても良かった。

「ユウマ君。今日の実験はね、男の子が射精する時って、金玉が袋の中でグッと上にあがるでしょう? あのときに衝撃を与えたら、どうなるかということを確かめたいの」

ユウマは、まだ一向にひかない金玉と副睾丸の痛みに朦朧としながら、アカネの話を聞いていた。射精する時に金玉があがるなど、気づいたこともなかった。ユウマはもちろん童貞だったが、オナニーは週に何回かしている。しかし射精する瞬間など、男にとっては何も考えらず、自分の体のこととはいえ、気がつくはずがない。

「だからユウマ君、ちょっと今、オナニーしてもらえないかしら。射精する少し前になったら、教えてもらいたいの。金玉を叩くタイミングは、こっちで合わせるわ」

ユウマは呆然と、アカネの顔を見ていた。

「ユウマ君! 聞いてるの? あなた、今日はまだオナニーしてないでしょ?」

「あ、は、はい…」

学校でどうオナニーするというのか分からなかったが、ユウマは正直に答えた。

「じゃあ、いいわね。さあ、早くオナニーして」

ユウマはそう言われても、先ほどからの痛みで、ペニスは勃起するどころではなく、そんな気分にもなれなかった。
しかしここでアカネの気分を損ねる事だけは避けたかったので、なんとか縮こまったペニスを右手で擦ることだけはしてみせた。

「いいわ。その調子よ、ユウマ君」

しかしユウマのペニスは一向に膨張せず、いつまでも勃起しなかった。

「どうしたの? ユウマ君くらいの男の子なら、一日何回でも射精できるはずよ。早く勃起しなさい」

普段なら、確かにそうかもしれない。しかし今は、アカネに蹴られた金玉は痛むし、機嫌を損ねたくないという恐怖から、なかなか興奮するというわけにはいかず、焦るほど、逆に縮こまってしまった。

「しょうがないわね。じゃあ、これでどうかしら?」

そう言うと、アカネはおもむろに制服を脱ぎ始めた。
スカートに手をかけると、ホックをはずして、一気に足元に落としてしまう。先ほどヒロトにチラリと見せた、黒いレースの大人びた下着が、ユウマの目に飛び込んできた。

「あ、ユウマ君、そのままよ。そのままゴシゴシしていなさい」

思わず手を止めて見入ってしまったユウマに、アカネは注意した。
そして次に、長い髪をなびかせながら上着を脱ぐと、やはり黒いブラジャーに包まれた、いまにもこぼれ落ちそうな大きな乳房が顔を出した。

「どう、ユウマ君? 少しは興奮してきたかしら?」

アカネはさらにユウマに近づいて、両手を組んで前かがみになり、その豊満な胸を持ち上げてみせる。目の前に迫った、柔らかそうな白い乳房に、ユウマは鼻息を荒くした。まだペニスを擦るたびに金玉に痛みが響いたが、それでもなお、ユウマの右手はペニスを擦るのをやめなかった。
アカネの背後から、その様子を見ていたヒロトも同様である。
ヒロトの目には、官能的な黒い下着に包まれたアカネのキュッとしまった尻と、前かがみになったことで見える股間のなだらかな膨らみが飛び込んできた。ヒロトは金玉をおさえる手を自然とペニスに移動させ、すでに勃起していたペニスをゆっくりと擦り始めた。

「あ…」

思わず、声が出てしまった。
アカネはそれに気がついて、振り向く。

「あら。もしかして、ヒロト君も実験に協力してくれるのかしら。フフフ。ありがたいわ。こっちに来なさい」

アカネが言うと、ユウマを取り囲んでいた女子たちの半分が、ヒロトの元に走り、ヒロトをひきずって、ユウマの隣に立たせた。

「でも、二人が同時にイクとは限らないわね。特にヒロト君は、早そうだわ。そうだ。特別に、私がお手伝いしてあげましょうか」

アカネはそう言うと、勃起したペニスを晒して全裸で並び立つ男の子たちの間に座り、両手で二人のペニスを掴んだ。

「ふわっ!」

「はうっ!」

二人は思わぬ快感に、声を上げる。

「私なら、二人がイクのを調節しながらできるわね。さあ、二人とも、遠慮しないで」

言われなくても、ヒロトとユウマには、すでに思考能力はなくなっていた。
ただ、なめらかに動くアカネの指先にすべてを委ねて、快感に喘ぐことしかできない。
アカネの指づかいは見事で、ヒロトとユウマの感じるポイントを正確に見切り、二人の快感のレベルを冷静に観察しながら、同時に射精するように調整してペニスを擦りあげていった。

「さあ。そろそろかしら?」

あっという間に、二人のペニスは射精寸前になってしまった。
ここにきて、確かに二人の睾丸は、袋の中でゆっくりと上方に動き始めている。

「あ…あ!! 出ちゃう!」

「い、いく! いきます!!」

二人は同時に、絶頂を迎えようとしていた。
アカネはほほ笑んで、二人のペニスから手を離すと、腕を目いっぱい下ろし、次の瞬間、二人の金玉に真下から拳を叩き込んだ。

「ああ!!」

「ううっ!!」

二人は呻いたが、同時に勢いよく射精してしまった。
かつてないほどの快感がペニスを包んだが、同時に金玉からは、また鋭い痛みが押し寄せてきて、二人はひざをついて倒れてしまった。

「あ、ああ!!」

ひざをついて前かがみになったヒロトのペニスからは、さらに大量の精液が溢れだしていた。痛みと快感が同時にヒロトを襲い、ヒロトはもう、何も考えられなくなった。

「あら。これは面白い現象ね。金玉がびっくりしちゃったのかしら?」

アカネは冷静な態度で、うずくまって射精するヒロトを観察した。

「ユウマ君も、いつもよりたくさん出たんじゃないの? そうよね?」

「は、はい…」

アカネは満足そうにうなずいて、服を着始めた。

「いいデータが取れたわ。二人とも、ありがとう。二人の男の友情にも、感動してしまったしね」

ヒロトとユウマは、快感と苦痛と入り混じった感覚の中で、ぼんやりとアカネの言葉を聞いていた。

「私、あなたたちのことが気に入ったわ。これからは、私の友人を名乗ることを許可します。私の事は、名前で呼んでいただいて、かまわないわよ」

アカネは堂々と、そう言い放った。

「これからも友人として、どんどん実験に協力してもらいますから、そのつもりでいてね」

ヒロトとユウマは、ぼんやりとうなずいた。

「じゃあね。もう遅いから、早く帰るのよ。さようなら」

「さようなら…」

「さようなら」

アカネと女子たちは、うずくまる全裸の男の子たちを置いて、屋上を出ていってしまった。
残されたヒロトとユウマは、しばらくうずくまったまま、何の言葉も交わさなかった。


終わり。



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