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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。


保育士をしていると、毎日のように小さな子供たちと接することになるわけだが、ときに彼らの想像力や情報力に驚かされることがある。
これは保育士のアユミが、実際に目撃した話だ。

「ねえねえ、じゃあ次は、キンタマごっこしよう」

「あ、そうだね。しようしよう」

子供たちが散らかしたおもちゃの後片付けをしていたアユミの耳に飛び込んできたのは、およそ保育園では聞きなれない単語だった。
「キンタマ」。確かにそう聞こえたが、気のせいだったろうか。
ふと見ると、マットが敷かれた大部屋のすみで、メイ、ユズ、カンナのいつも仲良し三人組が遊んでいる。

「じゃあね、アタシが女の子やるー!」

「あ、ずるーい。アタシも女の子がいい」

「アタシもー」

思わず片付けの手を止めてしまったアユミだったが、どうということはないようだった。
園児たちがよくやる、何かの遊びの順番を決めているようだ。
その順番決めがもう少し加熱してしまったら、自分が間に入ってあげようかな、などと思いつつ、歩みはおもちゃの片づけを再開した。

「じゃあ、メイちゃんが男の子ね。アタシとカンナちゃんが女の子。じゃあ、やろう」

「えー。後で、交代だからね。ちょっと待ってて」

どうやら順番争いは解決したようで、女の子たちは遊びをはじめるようだった。アユミは手を動かしながらも、彼女たちの方に注意を配っていた。いつ、何をするか予測のつかない幼児たちを相手にする保育士の、職業病のようなものだった。

「いくよー! えい!」

「それ! あ、外れた―」

「えへへー! そんなの、当たりませんよー」

声と動き回る音から察するに、何か鬼ごっこのようなものをしているのかと思った。
逃げ回っているのはメイで、それをユズとカンナが追いかけているようだった。
ようやく片付けの終わったアユミが顔を上げると、不思議なことに気がついた。

「あっ! もう! なかなか当たんなーい!」

「へへー! ちゃんと狙ってよ。ほらほら。ブーラブーラ」

逃げ回っているメイの足元を見ると、片方のソックスを履いていなかった。
そしてそのソックスがどこにいったかというと、どうやら彼女が体操服のズボンのウエスト部分にぶら下げているものがそうらしい。
そしてその靴下の中には、何か小さなボール状のものが入っていて、メイが動くたびに、それは彼女の股の間でブラブラと揺れていた。

「メイちゃん、それ…」

思わず声をかけてしまいそうになったが、いつの間にかカンナがメイの背後に回り込んでいた。

「えい!」

カンナの脚がメイの股間に振り上げられ、そこにぶら下がっていたソックスをポーンと跳ね上げた。

「あっ!」

背後に回り込んだカンナの動きにまったく気づいていなかったメイは、驚いたような表情で、自分の股間を見た。
すると、それを正面から見ていたユズが、うれしそうな声を上げる。

「あ! 当たった! キンタマに当たったよー!」

「もー。カンナちゃん、ずるーい!」

「えへへ! やっちゃった!」

悔しそうに振り向くメイに、カンナは得意げな笑みを返した。

「じゃあさ、キンタマに当たったから。ほら、ちゃんと痛がってよ、メイちゃん」

「あ、そうか。あーん。痛いよー! 金玉、痛い、痛い!」

メイは思い出したように股の間にぶら下がったソックスを両手でおさえ、内股になった。
そしてそのまま膝をつき、うんうんと唸りながら苦しんでいるフリをするのだった。

「うーん…。キンタマ、痛いよー。どうすればいいの? ねえ、教えて?」

「我慢できないの?」

「うん、我慢できない。ボク男の子だから、キンタマ我慢できないの」

「じゃあさ、一個ちぎっちゃえば? キンタマは二つあるから、一個だけなら大丈夫だよ」

「あ、そうか。じゃあ、キンタマ一個ちぎっちゃうね!」

そう言うと、メイはソックスの中に手を突っ込んで、中からおもちゃの小さなボールを一個取り出した。
そしてそれを放り投げると、何事もなかったかのように立ち上がった。

「よし! 痛い方のキンタマちぎったから、もういいよ。もう一回ね」

「うん。あと一回当たったら、メイちゃんの負けだからね」

「もう当たらないもーん!」

そう言うと、女の子たちは再び追いかけっこを始めた。
どうやらそれが、彼女たちの考えた遊びらしかった。
2回目も、メイは軽やかに身をひるがえして、ユズとカンナの攻撃をよけ続けたが、やがて挟み撃ちになったところで、ユズのパンチがメイの股間にヒットした。

「やったあ! 当たったよ!」

「あーん。また当たっちゃったあ。キンタマって、よけるの難しいねー」

「ほらほら、メイちゃん。ちゃんと痛がって」

「はーい。…あ、そうだ。ピョンピョン20回したら、復活できることにしない? アタシ、もっとやりたいもん」

「ピョンピョンって?」

「ほら、こうやってさ。ピョンピョンってするの。どう?」

メイは、股間を蹴られた男の子がマンガなどでよくやるように、前かがみになってピョンピョンと飛び跳ねた。

「アハハハ! それ、面白―い。メイちゃん、もっとやって!」

「いいよお。ピョンピョンピョーン! こうすると、痛くなくなるんだよ」

「そうなの? じゃあ、それでもいいよ。でも、一回だけね」

女の子たちは笑いながら、楽しく遊んでいるようだった。
アユミはその一部始終を見ていたが、これを止めるべきかどうか、ちょっと悩んでしまった。
別に悪いことをしているわけではないと思うが、幼児への性教育という観点から言えば、どうだろう。
あるいは、女の子にとって将来必要になるかもしれない、護身術の勉強になるのでは、などなど。
考えているうちに、ついに止めるチャンスを失い、女の子たちの遊びは終了したようだった。

「うーん。痛い痛い! こんなキンタマ、もういらない!」

再び股間のソックスを蹴られたメイは、先程と同じように苦しむ真似事をしたあと、ついにそのソックスを掴んで、引きちぎるようにして捨ててしまった。

「あー、スッキリした。もう痛くないや」

「やったね、メイちゃん!」

「女の子に戻れたね!」

「うん。キンタマがないって、らくちんだね。やっぱり、女の子がいいや」

ニコニコと笑う女の子たちに、アユミが声をかけた。

「ねえ、あなた達。それ、何の遊びなの?」

それは保育園の先生としての質問というよりも、半分以上はアユミ自身の好奇心だった。

「え? キンタマごっこ。アタシとユズちゃんが考えたの」

メイの言葉に、ユズもうなずいた。

「アタシたちにはキンタマ付いてないけど、もし付いてたらどうなるかなーって。キンタマって、ブラブラして面白いよ。先生もやろう」

「あ、そう…。キ、キン…タマ…なの…。へー」

その言葉づかいを直してやるべきか迷ったが、そうした場合、どうしても「キンタマ」という単語を連呼してしまうことになりそうで、アユミはためらった。

「まあ…じゃあ、先生はまた今度にするから、誰か他の人とやってね」

「はーい」

結局、その場は避けることにして、じっくり考えるか、誰かに相談してみようと思った。
まったく子供というのは、油断のならない観察力と発想をしているらしい。アユミは改めて、そう思った。


終わり。



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