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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。

元木ケンスケは、中堅のIT企業に勤めるシステムエンジニアだった。パソコンの前に座って、一日中画面に向かって作業することも珍しくない仕事だ。


そんな彼が最近見つけた楽しみは、会社の近くにある整骨院に通うことだった。
院長はカオルという女性で、まだ若く、働いているスタッフも全員、若い女性だった。
当然のこととして、この整骨院のメインターゲットは働く女性で、内装や店構えも女性が入りやすいような色や作りになっていた。逆に言えば、男性が入りづらいということである。


ケンスケは33歳の独り身で、休日には電器街やメイドカフェに繰り出すような男だったので、そんな女性のための整骨院に行くつもりはなかった。しかし仕事柄、常に肩こりや首の痛みに悩まされており、ある時ついに痛みに耐えかねて、飛びこむようにしてこの整骨院に入ってしまったのである。
一回目の訪問は、とにかく痛みをとってもらうことしか考えていなかったので、さほど気にならなかった。ただ、

「2,3日して、まだ痛かったら、また来てくださいね」

と言ってくれた院長のカオルの笑顔が、目に焼き付いてしまったのである。
それからというもの、ケンスケは週に二回ほど、この整骨院を訪れるようになった。すでに通い始めて3ヶ月になる。


待合室にいるのはいつも若い女性ばかりで、ケンスケが居づらい雰囲気ではある。ここは完全に、女性のための癒しの場なのだ。
それでもケンスケは、明らかに場違いな自分に嫌な顔一つせず応対してくれるスタッフと、いつも自分を気づかってくれるカオルの笑顔を見るために、せっせとこの整骨院を訪れているのである。
いつの間にかここは、ケンスケにとっても癒しの場になっているのだった。

「元木さん。元木ケンスケさん。どうぞ」

名前を呼ばれたとき、男がいるのかと顔をあげる女性たちの視線にももう慣れた。
ケンスケはむしろ堂々と、この整骨院の常連らしい顔をしていた。

「調子はどうですか、元木さん」

ベッドに座ると、いつも通り院長のカオルが、優しく声をかけてくれた。
年齢は30すぎだろうか。大きな瞳とセミロングの髪が、爽やかで清楚な印象を与える。整体師をやるということは、何かスポーツをやっていたのかもしれない。細身の体つきだったが、しなやかな筋肉が全身にバランスよくついているようだった。

「ああ、はい。まあまあですね。やっぱり肩こりがひどくて…」

これは事実だった。ここに通うようになってだいぶマシになったが、ケンスケの職業病ともいえるものだった。

「そうですか。仕事の合間に、ストレッチをやるといいんですよ」

「ああ、はい。そうですね」

ケンスケはマッサージよりもカオルの笑顔を見るだけで、肩こりがとれる思いだった。

「じゃあ、始めましょうか。あ、その前に…。ねえ、アレ、持ってきて」

カオルが声をかけると、女性スタッフはうなずいて奥に行き、お茶のようなものが入ったグラスを、盆に載せて戻ってきた。

「これ、最近ウチでオススメしているお茶なんですよ。血行を良くして、マッサージ前に飲むと、効果があるんです。どうぞ、試してみてください」

「あ、はい」

ケンスケは何の疑いもなく、渡されたグラスの中のお茶を飲みほした。
そのお茶はずいぶん苦いものだったが、健康にいいというお茶はこんなものだろうと思った。

「はい。じゃあ、うつ伏せになってください」

グラスをスタッフに返すと、ケンスケはいつものようにベッドにうつ伏せになった。これから、カオルの手による至福の一時が始まるはずだった。

「じゃあ、始めますねー」

カオルはケンスケの背中に手を当て、マッサージを始めた。
女性とはいえ、さすがにその手の力は強く、凝り固まったケンスケの筋肉を揉みほぐしていった。
ケンスケはカオルの指先の体温を背中に感じながら、頭の中を空っぽにして、ゆっくりと目を閉じていった。



「ん…?」

目が覚めると、そこは薄暗い部屋の中だった。
ケンスケは自分の置かれた状況が分からず、ちょっと戸惑う。

「…え…!?」

腕時計を見ようとして、初めて自分の手足がベッドに縛られていることに気がついた。しかも、薄いタオルが一枚かけられているが、どうやら自分はパンツ一枚の裸にさせられているらしい。
これはいったいどういうことなのか、理解に苦しんだ。

「す、すいません! 先生…?」

とりあえず、自分をマッサージしていたはずのカオルを呼んでみた。
すると突然、部屋の明かりが点いた。
蛍光灯の白い光に、ケンスケは目を細める。

「先生。起きたみたいです」

「そう。今、行くわ」

部屋の隅の方から、スタッフとカオルの声が聞こえた。
頭をあげて見ようとしたが、どうやら首も革のベルトのようなもので固定されているようだった。

「おはよう、元木さん」

戸惑うケンスケの頭上に、カオルが姿を現した。

「せ、先生! これは…!」

状況が理解できず、ただ驚くばかりのケンスケの顔を、カオルは見下ろしていた。

「さっきのお茶にね、睡眠薬が入っていたの。よく眠れたでしょ?」

「す、睡眠薬…!?」

「もう、元木さんには困っちゃって。どうにかしてウチに来られなくなるようにしたかったんだけど、これしか思いつかなかったわ。ちょっと手荒だけど、確実かなと思って」

カオルが言うと、周りにいた2人の女性スタッフも微笑した。
彼女たちはいったい、何をしようというのか。尋常ではない状況に、ケンスケの背中に冷たい汗が流れた。

「来られなくなるようにって…。え…? どういうことですか?」

カオルはスタッフと顔を見合わせて、ため息をついた。

「まったく、これだから困るのよね、元木さんは。ホントに鈍感なんだから。私たちが迷惑してることに、気付かなかったんですか?」

「え…? 迷惑って…」

戸惑うケンスケの様子を見て、スタッフの一人、川上アイコが口を開いた。

「元木さん、ウチのお客さんは女性の方ばかりなんですよ。なんで元木さんみたいな人が、ウチに来るんですか?」

するとさらにもう一人のスタッフ、木嶋ルミも、

「どうせ、院長目当てなんでしょ? 分かってますよ。院長にマッサージされた後、元木さんのズボンが膨らんでますもんね」

意地悪そうな笑いと共に言うのだった。

「そ、そんなこと…」

否定したかったが、事実だった。
それにしても、普段の彼女たちとは別人のように、まるで小馬鹿にしたような態度でケンスケのことを見ている。
いや、実際にはこちらの方が、彼女たちの真実の顔なのかもしれない。今までケンスケが接してきたのは、彼女たちが仕事上、やむなく行ってきた営業スマイルというものだったのだろう。

「まあ、元木さんが興奮するのはかまわないんですけどね。それもマッサージのうちですから」

カオルはむしろ勝ち誇ったような顔で、ケンスケを見下ろしていた。
ケンスケのような男が、自分のマッサージで興奮してしまうのは当然のことと言いたげだった。

「元木さんがウチに来ることで、他のお客さんに迷惑がかかっていると思うのよね。残念ながら」

「そうそう。元木さんみたいなオタクが来ると、ウチの雰囲気がおかしくなるっていうかあ」

「ウチ、そういうお店じゃありませんからって感じですよねー」

「そ、そんな…」

自分でも場違いだとは思っていたが、改めてカオル達の口から言われると、さすがにショックだった。
しかし、この店は別に女性専用とか会員制とか謳っているわけではない。ケンスケが来店することは、形式上、何の問題もないはずだった。

「だってここは別に、誰が来たっていいわけじゃないですか。そんなの、差別ですよ!」

ケンスケは声を荒げたが、その様子を見て、カオル達は再び顔を見合わせた。

「やっぱりねえ。そう思うわよねえ」

「だから、やっちゃうしかないですよ」

「ホント、こういう人は体で覚えないと分かんないですから」

「そうねえ」

アイコとルミが、カオルをけしかけているような調子だった。
ケンスケは彼女たちが一体なんのことを話しているのか、分からなかったし不安だった。

「じゃあ、元木さん。悪いけど、元木さんの大事な所を潰しますね?」

「え?」

振り向いたカオルの顔は、冗談を言っているようではなく、本気で残念そうだった。

「もう二度とウチに来なくなるように、元木さんの大事な所を潰します。ごめんなさいね」

「え? いや、あの…。何を…?」

ケンスケはまだ事態が飲みこめていなかった。

「だから、元木さんの金玉を潰すってば。ホント鈍いなあ、もう」

「一個だけだから。大丈夫ですよ」

アイコとルミが、追い打ちをかけるように言った。
しかしそう言われても、はいそうですかと返事をできるわけもなく、呆然と口を開けるばかりだった。
しかしカオルは、そんなケンスケを無視して、彼の体にかけてあったタオルをはぎ取った。

「じゃあ、始めましょうか」

ケンスケは恐怖を感じた。
全身に力を入れて暴れようとしたが、その手足はガッチリとベッドに固定されている。

「く…! いや…いやだ! やめろ!」

悲鳴ともつかない声を上げた。
しかしカオルはそれすらも予測していたように、今はぎ取ったタオルを丸めて、ケンスケの口に深く押しこもうとした。

「こ、こんなことをして、ただじゃ済まないぞ! 警察だ! 監禁罪で警察に通報してやるからな!」

必死で叫ぶと、ルミが思い出したように携帯電話を取り出した。

「あ、そういうこともあるかと思って、ちゃんと証拠写真を撮っておきましたから。ほら、これ」

ルミがケンスケの目の前に突き出したスマートフォンの画面には、ベッドの上で服をはだけさせているアイコと、それに抱きつくように覆いかぶさっているケンスケの写真が映っていた。

「こ、これは…!」

「よく撮れてるでしょ? けっこう大変だったんですよー。元木さん、重たくて。もうちょっと痩せた方がいいですよ」

どうやら、ケンスケが寝ている間に撮影したものらしい。
写真ではケンスケの表情は確認できないが、アイコの方は明らかに嫌がっているようで、見ようによっては、レイプの証拠写真と言えなくもない。

「あと、元木さんの携帯から、アイコちゃんにいやらしいメール送っておきましたから。これで本人の証言があれば、完璧ですよね?」

ルミはにっこりと笑って、ケンスケの顔を覗きこんだ。
ケンスケが警察に訴えれば、いつでもこれらの写真を公開し、レイプされそうだったと証言するつもりだろう。そうなった場合、不利なのは明らかにケンスケの方だった。

「あらら。アタシ、レイプされそうだったんだ。危ない危ない。キャハハ!」

アイコは悪戯っぽく笑った。
睡眠薬のことといい、周到に計画されたことらしかった。
ケンスケはもはや何も言うことができず、愕然としていた。

「はい。納得してもらえましたか? じゃあ、ちょっと我慢して下さいね」

カオルは微笑みながら、ケンスケの口に丸めたタオルを押し込んだ。
鼻でなんとか呼吸はできるものの、うめくことしかできなくなってしまった。



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「お静かにお願いしますね」

カオルはにっこりと笑った。

「痛かったら、言って下さいねー。やめませんけど」

アイコが意地悪そうに笑った。
そしてカオルが、おもむろにケンスケの金玉をトランクス越しに握った。
ケンスケは思わずうっと呻いたが、カオルの手にはまだ、強い力はこめられていない。

「うーん。これが元木さんの大事な所ですね」

カオルはケンスケの二つの金玉を、掌の中で転がしている。
その手さばきは絶妙で、ケンスケは恐怖におびえながらも、快感を感じざるを得なかった。

「フフ。気持ちいいですか? 実は私、回春マッサージもマスターしてるんですよ」

本人の意に反して、ムクムクと成長してきたケンスケの股間を見て、カオルが囁いた。
男性の睾丸をマッサージして、その精力を高めるという回春マッサージは、ケンスケは体験したことがなかった。

「睾丸は、とてもデリケートな所ですもんねえ。軽くマッサージすれば気持ちがいいんでしょうけど、ちょっと強く握っただけでも痛がるから、女性には扱いが難しいんですよ」

「あ…ふ…」

ケンスケは思わず、喘ぎ声をあげた。
すでにそのペニスは膨張をはじめ、トランクスを突き破らんばかりにせり上がっている。

「あらあら。これから玉を潰されるのに、元気ですね」

カオルは金玉を揉みながら、笑った。

「ホント、相当溜まってるんですねー」

「エッチする彼女とかも、いないんでしょうね。アニメとか見て、オナってるんですよ、絶対」

「うわあ。キモーイ。生身の女の子に興味ないとか? もしかして、童貞ですか?」

アイコとルミは、ケンスケの外見から得たイメージだけで、好き放題に言った。
しかしそれはあながち的外れでもなく、半分以上は当たっていた。
ケンスケはシステムエンジニアとしては標準以上の技術を持っていたものの、プライベートの彼は、絵にかいたようなオタクだった。
これまで女性と深い交際をしたことはなかったし、したいとも思わなかった。
この整骨院に通うようになって初めて、いつも優しく声をかけてくれるカオルに淡い恋心のようなものを抱いていたのである。

「こらこらアナタ達。あんまり失礼よ。睾丸をマッサージされたら、男の人は大きくなるに決まってるじゃない。それに元木さんも、風俗くらい行ったことがあるはずよ。ねえ?」

かばっているのかどうかわからないカオルの言葉に、ケンスケ快感の中で思わず哀しみすら覚えてしまった。

「違いますよ。元木さんは、先生に触ってもらってるから、嬉しいんですよね?」

「アタシが触っても、あんまり嬉しくないでしょ? ほら」

そう言って、アイコはおもむろにケンスケの股間に手を伸ばした。

「う! あ…」

一応、マッサージのように揉みしだいてはいるものの、それはカオルのとは比べ物にならないほど不器用な手つきだった。
自然と、ケンスケのペニスはそれまでの膨張を止めて、張り裂けんばかりに膨らんでいたトランクスがしぼんでしまう。

「ほらー。やっぱりこうなるでしょ?」

「ふうん。そうかしらねえ。でもアイコさん、あなたのそれは、マッサージになってないわよ」

「でもアタシの彼は、これで十分ギンギンになりますよ。ホント、正直すぎてムカつくなあ。えい!」

アイコは悔しそうに、ケンスケの股間の膨らみを、下から軽く叩き上げた。
それはちょうどケンスケの睾丸にうまく当たり、体を震わせた。

「うっ!!」

「あ、こんなのでも痛いんだ? ホント、金玉って急所なんですねー。えい、えい!」

アイコは面白がって、続けざまにケンスケの股間を叩いた。
その度に、ケンスケの股間には鋭い痛みが走り、やがて下腹部に重しを乗せたような鈍痛が広がっていく。

「こらこら。あんまり苛めないの。金玉の痛みは、男性にとって最大の痛みなのよ。潰れると、ショックで気絶してしまうこともあるんだから」

「先生は、男の金玉を潰したことがあるんですか?」

「えー。アタシ、蹴っ飛ばしたことはあるけど、潰したことはないなあ。あるんですか、先生?」

ルミとアイコが尋ねると、ケンスケもその答えが気になり、思わずカオルを見つめた。
カオルは少し黙っていたが、やがて思わせぶりに微笑した。

「そうねえ。まあ、私も色んな人とお付き合いしたりしたから。色々あったわよ?」

アイコとルミは興奮したように歓声を上げたが、ケンスケの顔からは血の気が引いていった。

「えー。すごーい。潰したら、どうなっちゃったんですか? 死んじゃいました?」

「何人くらい潰したんですか?」

「まさか、死にはしないわよ。潰したのは、当時付き合ってた人が二人と、痴漢が一人かしら。彼氏のは一個ずつだけど、痴漢のは、二つとも潰しちゃった」

「すごーい。先生に痴漢するとか、バカですねー。やっぱり、握りつぶしたんですか?」

「そうね。電車に乗っているときだったかしら。後ろから、お尻を触ってきたものだから、グッと握ってね」

カオルは右手を握りしめてみせた。
ケンスケにとっては、これ以上聞きたくもない話だったが、アイコとルミにとっては興味津々な武勇伝だった。

「えー。潰す時って、どんな手応えなんですか? 気持ち悪いですか?」

「うーん。なんていうかこう、ブチュッていうかグシュッていうか。独特の感触はあるわね。あんまり、気持ちのいいものじゃないと思うけど」

「へー。先生は握力が強いから潰せるんでしょうけど、アタシ達には無理かなー」

「そう? でも、意外と潰れそうで潰れないっていう話は、聞くわね。よかったら、試してみたら?」

「ホントですかあ?」

ケンスケの意見がまったく及ばないところで、彼の金玉の処遇が決められようとしていた。 
思わず涙目になりながら、必死で叫ぼうとしたが、口に詰められたタオルのおかげで、その声は唸り声になってしまう。

「ん? どうしました、元木さん?」

カオルが気がついて、口に詰めたタオルを半分ほど出してやった。

「ハア…ハア…。す、すいませんでした! もうここには来ませんから! 見逃して下さい! 潰さないでください!」

口から涎が流れ落ちるのもかまわずに、ケンスケは必死に叫んだ。

「あら。そうですか? でも、さっきは差別だとか、警察に行くとか…」

「あ、あれは間違いでした! ここは、本当はボクなんかが来たら行けなかったんです。ボクが間違ってました! 警察にも行きませんから、許して下さい!」

「うーん。どうしようかしら…」

カオルはちょっと考え始めたが、必死の形相で謝るケンスケを見ても、特に心を動かされる様子ではなかった。それは、医者が手術をするかどうかを考えるように、事務的で冷静な思案だった。

「ダメですよ、先生。アタシ達に潰させてくれるんでしょ? もう決まりなんだから」

「そうですよ。アタシ達にも、経験させてください」

アイコとルミの要求は、おもちゃを奪われた子供のように、無邪気なものだった。

「そうねえ」

カオルは首をかしげて、ひとしきり考えていた。
その時間を、まるで死刑判決か否かを待つような気持で、ケンスケは待たなければいけない。

「じゃあ、こうしましょう。このコ達が金玉を潰せるかどうかは分かりませんから、とりあえず、元木さんには頑張ってもらって。潰れなければ、それでお終いということで。いいですか?」

まるで旅の目的地を決めるかのような自然さで言ったので、ケンスケには、ちょっと言っている意味が分からなかった。
つまり、アイコとルミがケンスケの金玉を潰すことにチャレンジして、潰れてしまえばそれまで。潰れなければ、それで解放してやるということらしい。

「あ…そ、それは…」

ケンスケが何か言おうとする前に、アイコとルミが歓声を上げた。

「やったあ! そうしましょ、先生!」

「よーし! アタシ、頑張りますね!」

嬉しそうな彼女たちを見て、カオルもまた満足そうにうなずいている。

「じゃあ、そういうことで。潰れないように、頑張ってくださいね、元木さん?」

それだけ言うと、再びケンスケの口にタオルを詰め込んでしまった。
ケンスケの頭は、真っ白になってしまった。
頑張れと言われても、頑張って金玉が潰れないようにできるものなのかどうか。
自分は一体、どうすれば良かったのか。
色々と考えているうちに、アイコの手は、容赦なくケンスケの股間に伸びてしまっていた。
うっと声を詰まらせても、もはや彼女たちはケンスケの顔を見もしなかった。





「えーっと。それじゃあ、始めますね。どっちがいいかな。こっちにしょう」

アイコはつぶやきながら、ケンスケの右の睾丸を掴んだ。

「やっぱり、一個だけ握った方がいいですよね、先生?」

「そうねえ。アナタ達の握力じゃ、二個同時は無理でしょうねえ」

「先生が、痴漢のを潰した時は、二個同時だったんですか?」

「うーんっと、確か、そうだったかしら。あの人のは、ちょっと小さめだったんじゃない。こう、グッと握れたわ。でも、元木さんのは無理よ。一個だけにしておきなさい」

まるで、デザートに食べる果物か何かのことを話しているようだった。
とても、男の最大の急所、命の次に大切とも言える金玉のことを話している様子ではない。
金玉を持たない女という生き物が、いかにそれに対して無情で無関心か、ケンスケは腹の底が震えるような恐怖を感じた。

「はーい。じゃあ、元木さん、いきますね? せーの!」

掛け声と共に、強烈な圧力が、ケンスケの右の睾丸にかけられた。

「むむ…ぐぅぅ…!!」

声にならない叫び声を上げ、全身を震わせ始めた。
今までに感じたことのない痛みが、アイコに握られた丸い玉から、発せられている。

「潰れろーっ!!」

アイコはさらに、両手を使って、哀れなケンスケの睾丸に圧力をかけていく。
いまやケンスケの睾丸は、アイコの手の中で細長く変形し、潰されないように、必死で耐えているようだった。

「ぐぐぐ…!!」

「でもさあ、アイコちゃんがこのまま潰しちゃったら、アタシはどうなるんですか? アタシの番、こないのかな?」

地獄の苦しみに呻くケンスケの頭上で、拍子抜けするほど気軽な調子で、ルミがしゃべっていた。

「ええ? 大丈夫よ。金玉は二個あるんだから。一個、余ってるじゃん」

アイコは渾身の力を両手に込め、顔を真っ赤にしている。

「え? でも、潰すのって、一個だけじゃ…」

確認するかのようにカオルを見ると、カオルは横目でチラリとケンスケを見た後、微笑んだ。

「大丈夫よ。元木さんは、優しい人だもの。ルミちゃんのためなら、ね?」

「ホントですか? ありがとう、元木さん!」

ケンスケは必死に首を振ろうとしたが、アイコの手にさらに力が込められると、体をのけぞらせて呻くしかなかった。

「じゃあ、アタシは遠慮なく、こっちを潰しますね。えーい!!」

「ぐむーっ!!」

ほとんど全裸に近い状態のケンスケの体から、大量の汗が吹き出し始めた。
本当なら、今すぐにでも身をよじって、アイコの手から金玉を振りほどきたかったのだが、医療用の革ベルトは頑丈で、ケンスケが全力で動いても、ビクともしなかった。

「んんーっ!! …はあっ。ダメだ…」

全力で握り続けていたアイコは、突然、その手を放した。
どうやら、ついに疲れてしまったようだったが、ケンスケの睾丸は、まだ潰れてはいなかった。

「あれえ? まだ潰れてないでしょ? もういいの?」

「もう、ムリムリ。意外と潰れないよ、コレ。なんか、コロコロして握りにくいしさ」

「へー。そうなんだあ」

アイコは本当に全力を出し切ったようで、肩で息をしていた。
しかし、潰れるには至らなかったとはいえ、ケンスケの疲労は、アイコの比ではなかった。
強烈な圧力からは解放されたものの、まだ下半身には、焼けつくような痛みが、ジンジンと残っていて、股間に杭でも打ち込まれているようだった。
自分の金玉が本当に無事なのかどうか、ケンスケは確かめたかったが、もちろんそれは許されてはいない。

「じゃあ、アタシはこっちを握ってみようかなー。えい!」

休む暇もなく、ルミがケンスケの左の睾丸に手をかけて、握りしめた。
ケンスケの体を、再び悪夢のような激痛が襲う。

「むーっ!!」

その痛みは、内臓を掻きまわすように突き上げ、吐き気さえ催してくるものだった。

「ホントだあ。握りにくいね、コレ。すぐ動いちゃう あ、こら!」

ルミの言うとおり、彼女の手の中で、ケンスケの睾丸はコロコロと動いていた。
それは、あたかも潰されることを拒否するかのような、金玉の必死の回避行動のようだった。

「うっ! はっ!」

金玉がルミの掌の中を泳ぐたびに、ケンスケは息が止まる思いだった。
しかし、ルミの握力はアイコのそれよりもずいぶん弱いようで、どうやら潰されることはないようだと感じた。

「先生、これってなんか、コツとかあるんですかあ?」

これまで、女の子たちが金玉を握りしめる様子を黙って見守っていたカオルに、ルミが助けを求めた。
何といっても、カオルは男の金玉を実際に潰した経験の持ち主なのだ。
ケンスケの背中に、冷たいものが流れた。

「そうねえ。さっきから見てたけど、アナタ達の握力じゃ、ちょっと無理そうねえ」

するとカオルは、チラリとケンスケの顔を見下ろした。
その顔には、いつもケンスケが治療に訪れた時に見せるのと同じような、穏やかな微笑がたたえられている。
いつもならケンスケはその微笑に癒されて、幸せな気分に浸れるのだが、今はそれが、何より恐怖だった。

「ルミちゃん、ちょっと爪を立ててみれば? こう、親指の爪を」

「こうですか?」

カオルが手真似をしてやると、ルミはそのとおりに、ケンスケの睾丸を握り直して、爪を立てた。

「ああぁぁぁー!!!」

ケンスケは、タオルを吐きださんばかりに、口を広げて叫んだ。
かっと見開かれた両目は、血走っていて、その激痛を物語っている。

「あ。これが痛いんだあ。さすが、先生! 金玉潰しのことはよく知ってますね」

ルミは楽しそうに、突きたてた親指の爪を、さらにグリグリと食い込ませた。

「フフフ…。まあ、経験かしらね」

カオルは奥ゆかしそうに笑った。
その下では、ケンスケが悪夢のような激痛に耐えている。

「ふぐ…ぐぐぐ…!!」

やがてケンスケの体が、本人の意思とは無関係に、ビクビクと大きく痙攣し始めた。

「あれ? なんか、ヤバイかな?」

思わずルミは、睾丸から手を放してしまった。
その瞬間、ケンスケの痙攣は止み、ベルトで固定された首は、ガックリと横向きに倒れた。
口に入れたタオルの隙間から、細かい泡がこぼれている。

「潰れちゃったの?」

「えー。まだ、潰れてないと思うけど…。元木さん、大丈夫ですか?」

ケンスケに地獄のような苦しみを与え、気絶寸前まで追い込んだアイコとルミは、心配そうに顔を覗き込んだ。
しかしその声や表情には、ほとんど心がこもっていないことは明らかだった。
言葉では言い表せないほどの苦痛を味わい、金玉を潰されるかもしれないという、男にとっても残酷な恐怖と戦っていたケンスケだったのだが、金玉の痛みを毛ほども想像できない彼女たちには、それはまったく伝わっていないのだ。

「うーん。潰れてはいないみたいね。ちょっと腫れるかもしれないけど、まあ、大丈夫でしょう。良かったですね、元木さん」

カオルが、トランクスの上からケンスケの金玉袋を軽く撫でて確かめてやった。
しかし、にっこりと笑いかけたその顔を、もうケンスケは見ることができない。

「なんだかんだで、けっこう頑張りましたね、元木さん。なかなか潰れないものなんだなあ」

「ホントに。もっと簡単かと思ったけど、全然ダメだったね。どうすれば潰れるんですか、先生?」

「そうねえ。まずは、アナタ達の力不足でしょうね。もっと握力を鍛えないと。いいマッサージもできないわよ」

一仕事終えたかのようなテンションで、まるで仕事の反省会のように、女性たちは語り始めた。

「そうですかあ? これでも、けっこう握力がついてきたと思ってたんですけど…」

「まあ、握力といっても、金玉を潰す時に必要なのは、瞬発力なのよね。マッサージに必要なのは、どちらかといえば持久力の方だから、ちょっと違うかもね」

「瞬発力ですか?」

「そう。一気に、グシャッと握り潰さないといけないから、瞬発力は大事よ。もちろん、基本の握力も必要だけどね」

次第に熱を帯びてくるカオルの指導と、それを熱心に聞き入るアイコとルミ。
ケンスケは、朦朧とした意識の中で、ぼんやりとそれを聞いていた。

「えー。でも、そんなに簡単に、グシャッと潰せますかあ? けっこう、堅かったですよ」

「アナタ達のを見てたけど、やっぱり思い切りがよくなかったわ。潰す時はね、ためらわずに、一気に、思い切り握り潰さないとダメなのよ」

カオルはスッと、ケンスケの睾丸の一つに手をかけた。
先ほどアイコに握りしめられた睾丸は、すでに腫れあがり始めており、熱を帯びている。
極度に敏感になっている急所を触られて、ケンスケはビクリと体を震わせた。
しかし、カオル達はそんなことを気にもかけていない。

「いい? こうやって、金玉を握るでしょ? そしたら、逃げないように、しっかりと掌で包むの。このポジションを、握った瞬間にできるようにならないとダメよ」

アイコとルミは、興味深そうにカオルの右手に注目していた。
その手には、まだほとんど力はこめられていなかったが、カオルの言うとおり、手の中のベストポジションに、金玉がおさまっているようだった。

「そうしたら、さっき言ったように、一気に握りつぶすの。本当に一気によ。こんな感じに…」

カオルが右手に力を込めると、その手の中で、パチンと、風船が弾けたような感触があった。

「つっっっ!!!!」

瞬間、ケンスケの体は大きく空中にのけぞって、口に詰め込まれたタオルが吐きだされた。
やがてドスンと、大きな音を立ててベッドに着地したケンスケは、完全に白目をむいて、気絶していた。

「あら…? 元木さん…?」

カオル自身も、何が起こったのか分からない様子だった。
やがてハッと気がついて、その手の中を確かめると、そこには、先ほどまで確かにあったはずの小さな卵状の物体がなくなっていた。

「あ…。ごめんなさい。潰しちゃったみたい…」

さすがに申し訳なさそうに、つぶやいた。
ケンスケはベッドの上で、完全に意識を失っているようで、口から泡を吹いて、細かく痙攣している。

「えー! 先生、潰しちゃったんですか? ちょっと握っただけで? すごーい!」

「すっごい! 先生! 超怪力ですね!」

アイコとルミは、驚いて、しかしどこか楽しそうに笑っていた。

「そ、そんなことないわよ。ちょっと握ってみただけだったのに…。その前にも握られてたから、金玉が弱ってたのかしら…。まさか、潰れるなんて…」

どうやら本当に不慮の事故だったようで、カオルは神妙な顔つきでケンスケの股間を見つめていた。

「まあ、でも、最初から潰すつもりだったし、いいですよ。先生の金玉潰しが見られて、アタシ、興奮しました!」

「アタシも! すっごい勉強になりました。今度、彼氏とケンカした時、やってみます」

アイコとルミにそう言われて、カオルもためらいがちにうなずいた。

「そう? そうね。予定通りにできたっていうことで。元木さんも、もうウチには来なくなるでしょう。でも本当に、男の人って大変ねえ…。こんなことで気絶しちゃうくらい痛いなんて…」

「そうですねえ。アタシ、生まれ変わっても男には生まれたくないなあ。めんどくさそう…」

「アタシも。男に生まれても、金玉なんかいらないなあ。なんで、こんなのついてるんだろう…」

女性たちは、白目をむいて横たわっているケンスケを見下ろして、しみじみとつぶやいていた。

この後、整骨院には救急車が到着し、階段で転んで股間を打ったという男性一人が、病院に運ばれていった。
そしてその男性は、どんなに肩が凝っても、二度と整骨院に行くことはなかったという。


終わり。


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